「コミュニティの熱狂構造」とは。オンラインサロンプラットフォームを創った起業家・田村健太郎。


日本で活躍する方からお話を伺い、茅ヶ崎を盛り上げるアイディアをいただく「EKIUMI SPECIAL TALK」。今回はトークンエコノミー関連事業を行う「mint株式会社」の代表であり、シリアルアントレプレナーとしても著名な田村健太郎さんにご登場いただきます。独自ポイントがつくれる&もらえるアプリ「mint」を活用した商店街の活性化についてお話を伺いました。(全3回)


■オンラインサロンプラットフォームの創造から売却まで


――― はるばる茅ヶ崎までお越しいただきありがとうございます。まずは茅ヶ崎のアイス屋さん「プレンティーズ」の生チョコアイスをどうぞ。


田村 ありがとうございます! 



田村 美味しい!これだけで茅ヶ崎に来れてよかったです(笑)


――― 良かったです(笑)それでは早速、田村さんのことを知らない方のために、ご経歴を伺ってもよろしいでしょうか。


田村 はい。私は生まれが東京で、10歳~22歳ぐらいまでは相模原市に住んでいました。

ですので、湘南エリアは身近な憧れの場所でした。


――― そうなのですね。


田村 大学在学中に「モバキッズ」という会社を立ち上げまして、そこからウェブサービスを受託でつくったり、eラーニングや電子書籍の販売サイトを自社でつくったりと、あれこれコンテンツ系のサービスを作っていました。


――― はい。


田村 そして2012年に「Synapse(シナプス)」というオンラインサロンプラットフォームをつくりました。

簡単に言うと、月額課金型のコミュニティを集めたサービスですね。


――― オンラインサロンは、いまでこそ一般の人にも知られるようになってきましたが、そのプラットフォームを2012年につくったというのはすごいですね。


田村 当時はコミュニティ型のシェアハウスに入居していて、そこでイケダハヤトさんなど、同世代の面白い書き手の方々と出会う中で生まれた発想で。


――― なるほど。


田村 そういう同世代のなかに、ある女性ブロガーさんがいたんですね。

その方が言うことは当時としては斬新な意見だったので「この小娘が生意気な!」みたいな感じで批判する方などが多くて。


――― ええ。


田村 ただ結局、そういう叩き方する人たちって記事をちゃんと読んでないわけですよ。

そこで「ちゃんと読んでくれる人をパトロンにして記事を出したい」という話をされて。

それで、個人的なお手伝いとしてオンサインサロンを構築しました。


――― ではオンラインサロンの起源は、田村さんがその女性ブロガーさんの、「特定の人に質の高い情報を届ける」という想いが始まりだったんですね。


田村 はい。それを単発でつくったら思いのほか収益につながりまして。

これは他の人にも使えそうだということで、2012年にSynapseとして事業化しました。


――― Synapseには、はあちゅうさんや堀江貴文さんもいましたよね。


田村 そうですね。そしてオンラインサロンは時間の経過とともに、実際に会えるセミナー込みの価値という感じになってきました。

そうやってリアルの体験を重ねるとメンバー同士が仲良くなって、結果としてサークルが生まれたりして。


――― だんだんコミュニティっぽくなってきたのですね。


田村 少しずつそうなってきたんですが、まだ運営側が提供するのは定期的なセミナーとコンテンツという感じでした。

そしてSynapseは注目されるようになり、増収や買収のお話をいただくようになりました。


――― 最終的には、DMMさんに売却されましたよね。


田村 はい。pixiv(ピクシブ)の片桐孝憲さんが十年来相談をさせていただいている経営者の先輩なんですけど、片桐さんがDMMさんに行かれたタイミングで誘われて、ぼくも行くことにしました。

その後色々な事情があって、離れることになってしまったのですが。



■有益さと収益性はイコールにならない


――― ぜひ田村さんのご意見を伺いたいのは、良質なコミュニティをつくるうえで「有料」は効果的かどうかです。


田村 少なくとも、当時としては効果がありました。

みんながネット上で好き勝手言える場として「Twitter」や「はてブ」、最近だと「Newspicks」がありますよね。

そういうネットの世界において、「有料」はユーザーを絞り込む手段としてアリでした。


――― はい。


田村 ただし、「お金を払いたくなるもの」というのは、「質が良いもの」と実質イコールでもありません。

実のところ収益化がうまいオンラインサロンというのは、「商売もの」か「コンプレックスもの」かということになりがちです。



――― なるほど。


田村 そうでなければ、いくら有益な情報でもお金を払い続けてもらいにくい。

たとえば学問領域や文化的な分野に関しては、有益な内容であっても人数が集まりづらかったです。

イベントなどに同行して見ていても本当にめちゃくちゃ学びがあるんですけど、でもお金を支払い続ける対象にはなりづらい。


――― たしかに、有益さと収益性はイコールにはならないですね。


田村 そうなんです。ただ、本人もプラットフォームとしてもあまり収益を生めないけども、その代わり有益な場が作れたことは確かで。

ぼくとしては「インターネットで有益な情報が手に入る」ということをしたかったので、一定の成果は出せたかなと思っています。


■コミュニティの熱狂構造


――― 最近のオンラインサロンについてはどういう見方をされていますか。


田村 最近はまた少し変わってきて、「ボスがやりたいことに対して、サロンメンバーが手伝う」という形ができてきています。


――― キングコング西野亮廣さんの「エンタメ研究所」や、幻冬舎 箕輪厚介さんの「箕輪編集室」がそうですよね。そこから派生して前田高志さんの「前田デザイン室」が生まれたりもしています。


田村 そうですね。たとえば西野さんは「ディズニーを倒す」という明確なビジョンがあって、サロンなどを通じてメンバーが参加できるような構造になっています。


――― 「お金をもらって手伝う」ではなく、「お金を払って手伝う」。


田村 はい。そのお手伝いは本当に小さなことで良くて、指定したハッシュタグでつぶやくとか。

そういう具体的なアクションに対して、ボスが喜んでくれると。


――― その体験自体に価値を感じられ、ボスが喜んでくれてさらに嬉しい。


田村 そう。尊敬するボスがなにかを頼み、やれば報酬があるという繰り返しが大事なんです。

その体験が共有されることでコミュニティが生まれ、熱狂構造が作られていく。



――― そうなると、本質的には有料かどうかが重要なわけではないということになりませんか。例えば、「けんすう」さんの「漫画サービスを創るサロン(仮)」は盛り上がっている印象です。


田村 その通りです。有料でも無料でも、結局のところコミュニティのために動いてくれる人がいることが重要なんです。

実際、この熱狂構造を有料で実現できる人ってやっぱり限られていて、「お金をもらってお願いをする」というのは、一般の人にはハードルが高いじゃないですか。


――― そうですね。そもそも「オンラインサロン」という時点で、まだ心理的なハードルが高い人もたくさんいそうです。


田村 はい、まだまだ大多数の方はリアルの方がイメージしやすい。

ただオンラインサロンでわかってきたコミュニティの熱狂構造自体は応用がきくと思っているので、それをリアルで活かせるサービス「mint」を始めたんです。


――― オンラインサロンの変遷と本質がよくわかるお話でした。次回はそのmintのお話を詳しく伺いたいと思います。


(次回につづく → コミュニティを熟知した田村健太郎が仕掛ける次の一手。地域にファンコミュニティを生み出すアプリ「mint」。


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▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter

2015年に茅ヶ崎市に移住し、2017年に「エキウミ」を立ち上げる。東海岸商店会の公式サイトの運営や、アクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティング、記事の寄稿も行う(SUUMOタウン「まだ茅ヶ崎に行ったことのないあなたへ」)。

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