【Ocean's Love】「子どもたちと一緒に成長していきたい。」伊東"あびる"花江さんと伊藤良師さん

(前回はこちら→障がい児向けサーフィンスクールをやってみたら、みんなが笑顔になった。


■気付いたら、たくさんの人の想いが詰まった活動になっていた


――― 前回、Ocean's Loveの活動も、最初はお仕事の1つだったと伺いました。現在は、認定NPO法人として活動されていますが、どのような転機があったんですか。


あびる 2003年に父が亡くなった後、5年くらい仕事人間になっていたんですが、出張先で倒れて入院したんです。

そのとき、ふと自分の人生のことが頭によぎって、「あっ、結婚しよう」って。

ただ、当時の仕事と生活の両立は私にはできないと思ったので、色んな人に相談して、家庭とOcean’s Loveを優先し、仕事を諦めることにしました。


――― 大きな決断をされましたね。


あびる 2009年に退職し、結婚して、Ocean's Loveの活動も独立したんです。


――― 3つ同時ですか。退職後も活動を続けられたのはどうしてですか。


あびる 「とにかく子どもたちをがっかりさせたくない」という思いがすごくありました。

色んな人の思いから始まった活動なので、私の勝手な事情でやめるっていうのは耐えられなかったです。

当時の上司も、あびるがやりたいならと言って背中を押してくれました。


――― 仕事ではない形で活動を続けるには、かなりのエネルギーがいりますよね。


あびる 最初は事務所もありませんでしたし、大変でした(笑)。

チャリティグッズを売ったりして、とにかく年1回のすみれ園さんとのスクールを開催するだけで精一杯という状態でした。



■もっと、ずっと、子どもたちの笑顔を見たい


――― いつ途切れてもおかしくない状況のなか、どのようにして現在の大規模な形になったのでしょうか。


あびる 2011年にNPO法人になったというのが大きかったのかなと思います。

色んな方から「せっかくいい活動をしているんだから、続けていくためには、ちゃんと団体を作った方がいいよ」とアドバイスをいただいて。


――― それで団体として自立されたんですね。


あびる そこから事務所を設けて、ホームページ上でイベントの告知をするようになりました。

何より良かったのは、団体として信用されるようになったと思います。

それ以前は事務所も間借りでしたし、会社員時代のツテとスタッフの熱意だけが頼りだったので(笑)


――― そこから活動が広がっていったんですね。



あびる 本当に多くの方が参加してくださいました。

茅ヶ崎の方が参加されたときに、「こんな近くに海があるのに、初めて海に来た」って言われたことがあって。

そのときに、障がいのあるお子さんやご家族にとって、こんなに海って遠いものなんだということを改めて感じました。

だから、茅ヶ崎の子どもたちが参加してくれるとすごく嬉しいです。


イトーマン 子どもたちが喜んでくれている姿を見るだけで胸が「ギュン」って打たれちゃいます。

その姿をまた見たいという思いと、今は運営する側なので、サポート企業やボランティアさん、親御さん、関係するみんなが幸せになれる活動をこれからもしていきたいですね。


あびる いま私は現場からは離れて、事務をやっているんですね。

ですから、スクールが終わるたび子どもたちの写真を見ながら、みんなの話を聞くのが楽しみです。

みんなが幸せになれるOcean's Loveの活動をサポートして、これからも続けられる団体にしていきたいと思います。


――― 新型コロナウィルス感染拡大防止のため、今年は予定されていたスクールを中止されたと伺ったのですが、今後の活動について、教えていただけますか。


イトーマン 茅ヶ崎以外の地域は、今年のスクールは中止するしかなく、本当に残念です。

今は、少しでも海や人とのつながりを感じてもらえるよう、サーフィンの要素を取り入れたオンラインでのトレーニングイベントを企画しています。



――― オンラインでサーフィン!すごい挑戦ですね。


イトーマン それから、もっと子どもの成長に寄り添っていきたいですね。

そのためにお仕事体験会の幅を広げたり、継続的に通えるスポーツ教室みたいな活動もやっていきたいです。


あびる あとは、Ocean's Loveの活動を継続的に応援してくださるALOHAパートナーを募集させていただいています。

そうやって多くの方にずっと愛される団体にしていきたいと思っています。


■雄三通りを面白くするアイディア


――― 最後に、この「エキウミ」は雄三通りを拠点としているのですが、この道を盛り上げていくためのアイディアをください。


イトーマン 雄三通りは何でも揃うし、観光の方も訪れる通りですよね。例えば「SDGs商店街」みたいなコンセプトを掲げて、17の目標の何かに関係する取組みをそれぞれのお店で打ち出したら面白いなと思います。


――― 「SDGsのその課題、あそこのお店で取り組んでるよ」ってなると、急に身近になりますね。次にあびるさんはいかがですか。


あびる 月1回、午前中だけでも歩行者天国にできたら良いなって思います。例えば朝市みたいにできると、ゆっくりお店も見られるし、面白いですよね。普段は車も多くて止まれないので。

――― 歩行者天国、絶対、いいですね。インタビューは以上です。本日は、みなさんの活動に対する想いをたくさん聞かせていただき、ありがとうございました。


(おしまい)




【 Ocean's Love(オーシャンズラブ)】伊東“あびる”花江さんと伊藤良師さん

障がい児向けサーフィンスクールをやってみたら、みんなが笑顔になった。

・「子どもたちと一緒に成長していきたい。」




▼編集 井上普文(Facebook

三重県出身。2014年に茅ヶ崎市に移住。コミュニティバスに貼られていたポスターを見てエキウミの読者に。茅ヶ崎で暮らす者として、茅ヶ崎のヒト・コトをもっと知りたいと思い「エキウミ」に参加。

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