「社会課題をカジュアルに伝える。」イラストレーター・漫画家 高田ゲンキの挑戦

(前回の記事はこちら → 「悩みのない人生を送るには三つの条件がある。」高田ゲンキが”逃げのびた者”になれた方法とは。


■フリーランスが生活しやすい環境とは


――― 私が高田さんの発信で特に好きなことの一つに「営業の必要性」があります。


高田 ああ、営業ですね。

結構フリーランスで営業を敬遠する人がいるので、たしかによく発信していますね。

とはいえぼくも最初の頃は”営業をしなくても仕事がくるという幻想”を持ってるタイプだったんですが(笑)


↓営業①(Twitter


――― そうみたいですね(笑)


高田 いまだと「SNS発信をしていれば仕事がくるかな」と願っている人がまさにこういうタイプなんだと思うんですけど、なかなか現実はそうもいかないというか。

やっぱり仕事をもらうために営業は必要なんですよね。


――― ちなみに高田さんの場合はどんなところに営業に行かれていたんですか。


高田 ひとつ例をあげると、BtoB(法人向けビジネス)企業にはよく行きましたね。

社会人経験がない人ほどBtoC(消費者向けビジネス)企業に目が行っちゃうと思うんですけど、ぼくの場合は最初の10年ぐらいBtoB企業の案件ばかりやっていました。


――― 目の付け所がさすがです。たしか高田さんは最初の就職先で営業をされていたんですよね。


高田 はい、そこが合わなくて1~2ヶ月で辞めちゃったんですけど、まさかその時の経験がここまで役に立つとその時は思いもしませんでした(笑)


↓営業②(Twitter


――― その後、高田さんは茅ヶ崎でも数年働かれていましたよね。


高田 はい。ちなみに前作の『フリーランスで行こう!』の最初に載せている風景は茅ヶ崎市ですね。

こんな立派なビルではなかったので、そこはフィクションですけども(笑)


↓茅ヶ崎で働いていた頃(Twitter


高田 毎朝、茅ヶ崎駅の北口にあるエメロードを通っていました。

その会社での仕事は営業ではなくデザイナーでしたが。


――― ぜひ高田さんに伺いたかったのが、茅ヶ崎がフリーランスにとって働きやすい街になるために必要なことってどんなことだと思いますか。


高田 うーん…難しい質問ですね(笑)

というのも、若いころのぼくは焦燥感というか、「フリーランスとして自己実現したい!」という気持ちが強かったんですね。

でも茅ヶ崎のローカルな人たちって”人生を楽しんでいる人”が多くて、一緒にいるとそこに落ち着きたくなっちゃうというか(笑)


――― よくわかります(笑)


高田 なんか、「なんで俺だけあくせくしてるんだろう」って思うじゃないですか。

茅ヶ崎は居心地が良かったからこそ、ローカルに取り込まれることが怖くて。

当時のぼくは”超ストイック派”で、「孤独や不安定を力に変えたい!」と思うタイプだったので。


↓「孤独を力に変えろ」(Twitter


↓「安定は敵」(Twitter


――― ではフリーランスとして生活する街としては、環境的に茅ヶ崎はあんまりですかね。


高田 いえいえ、そういうわけではないと思いますよ。

いままでの話はあくまでもぼくの若いころの話であって、フリーランスとしてのスタンスは人それぞれですからね。

むしろ、ストイックでなくてもフリーランスとしてやっていける方法はあるべきだと思います。


――― なるほど!


高田 これまでは、会社勤めに向いてなくても「我慢すべき」と思われてきましたが、他にも選択肢があるということが重要で。

やっぱりどうしても合わないことってあるわけですから、そのストレスから解放される道って必要なんですよね。

その道がフリーランスなのか、別の道なのかどうかはその人次第ですけど、仮にフリーランスという道を選ぶとき、「孤独を力に変えろ!」というのが合わない人もいるわけで。


――― そうですね。私も孤独は嫌です(笑)


高田 ですよね(笑)

だから「会社勤めも、孤独も、不安定も嫌だ!」という人にとって、もしかしたら”茅ヶ崎でのフリーランス生活”という選択肢が合っているのかも知れない。

どんな環境が適しているかなんて一人ひとり違いますから、各自が生きやすい受け皿があると良いですよね。



――― たしかに、「茅ヶ崎でフリーランス生活をしたい」という人は一定数いる気がします。


高田 たしか、フリーランス向けシェアハウスの「ノマド屋」さんとか、あとコワーキングスペースの「チガラボ」さんとか、そういう場所も増えてますよね?


――― そうなんです。


高田 茅ヶ崎って”サザン”とか”アロハ”のイメージが強くて、それはブランドとして素晴らしいんですけども、でもそこに関心がない人にとって入りにくさはあると思うんですね。

だから”フリーランス”とか”IT”とかそういう新しい風が入れる余地が増えると、もっと街としての間口が広くなるかも知れません。


――― そういえば、高田さんが移住されたドイツのベルリンはITスタートアップが盛んですよね。


高田 そう、ベルリンって世界におけるITスタートアップの中心地の一つだから、よくカンファレンスやミートアップなどのイベントが開かれていて色んな可能性に出会えるんです。

やっぱりITって一番可能性あるし、もし茅ヶ崎がそこに力を入れてITの集積地になったら面白いですよね。


↓高田ゲンキさんのイラスト(panorama 2010


■”ぱぱっと描いて”


――― 最近、高田さんのTwitterで拝見してすごく良いなと思ったのが、”へのへのもへじ”の漫画なんですけども。


高田 ああ、”ぱぱっと描いて”の四コマ漫画ですね。


↓ぱぱっと描いて(note


――― これってメッセージをすごく端的に、やわらかく伝えているじゃないですか。


高田 そうですね、実はこういうのをもっとやっていきたいんです。

これまでも漫画を通じてメッセージを届けている方って結構いらっしゃるんですけど、そういうところから影響は受けていますね。


――― そうなんですね。


高田 ぼくは中学生ぐらいまでは真剣に「漫画になりたい」と思っていて、よく画材屋さんに通ってプロの漫画家が使うようなアイテムを買っては家で描いていました。

2015年ぐらいからまた漫画に取り組み始めたんですけど、やっぱりイラストとは別物なので何千冊とか漫画を読んで表現の勉強をしつつ、腕を磨いているという感じです。


――― 先ほどの”ぱぱっと描いて”の四コマ漫画なんかは、すごく色んな人の課題意識を代弁していると思いました。


高田 そうですね。まさに代弁ですね。

ああいう職業的なこともそうですし、他にも政治とか環境問題みたいな社会課題についても関心があるので、自分がそこに貢献できるようになっていきたいという思いはあります。


――― 特に日本においては、そういうことを訴える手段として漫画ってすごく有効ですよね。


高田 ドイツだと「漫画は子どもが読むもの」なんですけど、日本だと大人も読みますからね。

それに日本って社会課題の話題がタブー視されがちだから、まっすぐ議論がしにくいじゃないですか。

たとえばぼくはクリスチャンなんですけど、宗教の話もしにくいですよね。

そういうなかで漫画はカジュアルに伝える手法の一つだと思っています。


――― では今後もイラストと漫画の両方に力を入れていくということですね。


高田 そうですね。イラストについては日本だけでなく海外のマーケットにも広げていきたいですし、作品や発信を通じてもっと認知が広がってくれればありがたいです。

そうなることで、一人ひとりが、それこそぼくらの子どもや孫世代にとっても生きやすい世界にできるよう貢献できたらと思っています。


――― 今後も高田さんのご活動を応援しています。インタビューは以上です。ありがとうございました。


↓高田ゲンキさんのイラスト(planet of ideal city

(おしまい)


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▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter

2015年に茅ヶ崎市に移住し、2017年に「エキウミ」を立ち上げる。東海岸商店会の公式サイトの運営や、アクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティング、記事の寄稿も行う(SUUMOタウン「まだ茅ヶ崎に行ったことのないあなたへ」)。


▼編集アシスタント 茅ヶ崎ポニーさん

東京の板橋生まれの横浜の戸塚育ち。2014年秋より茅ヶ崎暮らし。関心の高いテーマは、「まちとひと」「想いとルーツ」。茅ヶ崎をひと言で表現すると『人も道も、フラットな街』と十中八九、答えてます。しごとは、10年ほどインターネットの企画や営業を。ペンネームは小学生時代の弱小だけど大好きだった野球チーム「ポニーズ」より。

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