【コワーキングスペース チガラボの清水謙さん】越境体験でヒトのつながりからコトを生む
↓清水謙さんのご経歴
1974年生まれ。商社、ITコンサルティングを経て、株式会社リクルートマネジメントソリューションズにて企業の人材育成・組織開発に関するコンサルティングに従事。2014年にヒトコトデザイン株式会社を設立し、2017年から地域内外の人がつながり新しいことが生まれる拠点として、コワーキングスペース「チガラボ」を立ち上げた。
――― 本日はよろしくお願いします。
清水 よろしくお願いします。
――― まずは「チガラボ」について伺いたいのですが、いわゆるコワーキングスペースとしての利用の他にも、たくさんのイベントを開催されていますよね。どうしてこのような場を作られたのでしょうか。
↓チガラボ 3月のイベント情報
清水 おっしゃるとおり、チガラボでは様々なイベントを開催させていただいております。
私が好んで使うキーワードの一つが「越境」なのですが、チガラボに来ていただいてこの越境を体験していただくことを狙いとしています。
――― 越境ですか。
清水 いま自分がいる環境の常識は、別の環境に行けば非常識ということがありますよね。
チガラボでは、様々な背景を持っている方々が、それぞれの枠組みを越えて交わることで、何かしらのコトが生まれる実験の場を提供しています。
人って誰かに言われるよりも、自分で気づくことの方が納得感があると思うので、チガラボの運営スタンスとしてはその「気づき」が自然と発生するような雰囲気を大切にしています。
――― では、イベントでは清水さんがファシリテーションをしつつ、結論まで引っ張っていくという感じではないのですね。
清水 むしろ終えたときに「あれ、いたっけ?」ぐらいの存在感の方がベストだと思っています(笑)
私は企業の人材育成・組織開発のコンサルティングの仕事もしているのですが、「自走できる人・組織にする」という考え方を大切にしています。
そのための関わり方は、誰かが結論に導くのではなく、その場や人の中にあるものが引き出される状態をいかに作るかです。
また、そもそも私の性格としてちょっと俯瞰して物事を見るタイプですので、そのスタイルが合っているということもあります。
――― なるほど。清水さんは一歩引いて、参加者の自主性を引き出す感じですね。
清水 はい。このスタイルに行き着いたのも、私は「生み出し方」にはこだわりがあるんですけど、「何が生まれるか」にはこだわりがないんですね。
ですので、いろんな人がマイテーマを持って、その人なりのタイミングで、その人なりにバチっとはまるものが見つかることが何よりだと思います。
「なにか始めたいけど、始め方がわからない」という人は多いと思うのですが、チガラボでは「平日AMにひそかな企みをシェアする会」や「【チガラボチャレンジ】やりたいこと宣言&いっしょに考える会」といったイベントを定期的に設けているので、そこで何かが生まれるのを見ると楽しくなります。
↓イベントの様子
――― とても共感できるお話なのですが、あえて揚げ足を取るような質問をさせてください。そもそも「自分にはやりたいことがない」という人も多いと思うのですが、そういう人は対象外ですか。
清水 むしろウェルカムですね。もともと私も「熱狂できることがない」寄りの人間なので、そういう方の気持ちはよくわかります。
やりたいことがあってもなくても、その人がその時に充実していればまったく問題ないと思いますし、全員が常に何かやらなきゃいけないのはちょっとシンドイですよね(笑)
もし「何かを変えたいな」って思うタイミングが来たら、チガラボがそのための場になれたら良いなと思います。
――― よく理解できました。一方で、「美味しいものを食べる」系のイベントも多いですよね。
清水 そうですね、例えば「【チガラボ×Local】ジビエ焼肉&シシ鍋を味わいながら、信濃国・遠山郷とつながろう!」や、「お寿司をつまみながら、ディープな茅ヶ崎・南湖の魅力にふれる会」のように、「皆で美味しいものを囲もう」というイベントも多くあります。
基本的に、チガラボはこの茅ヶ崎が持つローカルなユルさのなかで起きる偶然の出会いを大切にしているので、こういった食をきっかけに参加した人が、思いがけず地域の魅力や取り組みに興味を持ち、つながりが生まれることを期待しています。
↓イベントの様子
――― ちなみに、「チガラボチャレンジ」で印象的だった話を一つ伺えますか。
清水 いろいろあるのですが、例えば1月に発表してくれた方の話なんですけど、その方の一番の悩みが「とにかくラジオが大好きすぎて、生きてるうちに全てのラジオ番組が聴けない」っていうことだったんですね。
もうその時点で最高じゃないですか(笑)
――― 既に魅力的です(笑)
清水 しかも「なぜラジオが好きか」と聞かれても、特に「理由はない」っていう(笑)
「好きなものは好きだ」と言い切れる、そういう話は聞いていて楽しいですよね。
「そのうちラジオ番組も持ちたい」という話もあって、とても応援したくなりました。
この場が会社であれば、基本的にアカウンタビリティ(説明責任)を伴うので、こんなに自由に発信もできなかったりすると思うんですね。
でもチガラボは実験の場なのでリスクフリーですから、「好きなものは好き」と言ってみる、「自分が腹落ちすること」をやってみる、「美味しいものが食べられそうなのでフラッと来てみた」というようなオープンな場でありたいと思っています。
――― チガラボや、清水さんの考え方がとてもよくわかるお話でした。次回は清水さんがチガラボを始めるまでのお話を伺いたいと思います。
(次回につづく→企業や地域の課題解決をパラレルワークで循環させる)
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▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter)
2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。
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