【まちづくりコンサルタントの青田直樹さん】次のまちづくりキーワードは「交通」。持続可能なまちづくりを目指す。

(前回の記事はこちら → 商店街活性化コンサルの仕事。雄三通りスマイルプロジェクトのブレーン。


■大型施設の計画から都市計画、商店街活性まで手掛ける


――― 青田さんがまちづくりコンサルをされるまでは、なにをされていたのでしょうか。


青田 「フィジビリティ・スタディ」っていう言葉があるんですけど、要はテーマパークのような大型施設の集客や財務のシミュレーションなどをしていました。


――― 要は、なにをつくったらどれだけ人が増えるかとか、そういうことですか。


青田 そうですね。30年間の事業計画をつくって損益収支と資金収支をどうしていくのかっていうのを原案にします。

ですので、「東京ディズニーランド全体の事業収支計画をいま立ててみろ」って言われれば立てることができます。


↓世界遺産登録関連の仕事で登った富士山


――― すごい!そこからどうしてまちづくりへと移っていかれたのでしょうか。


青田 「シビックコア地区整備制度」というまちづくりを支援する制度があるのですが、それを甲府市の方から頼まれて手がけたことがあるんです。


――― シビックコア地区整備制度。


青田 僕が関わったのは、税務署とか労基署とかハローワークといった国の合同庁舎を核としたまちづくりです。

そういう施設というのは普通ならなるべく安い郊外に出ちゃうんですけど、それだと街の発展にはつながりにくいですよね。

だから市が一番出したいところに建てて、庁舎で働く人が毎日街で消費したり、周辺に商業施設や公園をつくったりすることで賑わいをつくっていく。


――― なるほど。そういう案件に関わるようになって、まちづくりに関わるようになったんですね。


青田 そうなんです。「中心市街地の活性化」は言い換えれば「商業の活性化」ですから、そうなると商店街の賑わい創出が重要になるので、次第に商店街活性化をやって欲しいというご依頼もいただくようになる。

そうして前回にお話ししたような茅ヶ崎の案件にも関わるようになった、という感じです。


■まちづくりの時流に乗る


――― 最近のまちづくりのトレンドみたいなものはあるんですか。


青田 「地域公共交通網形成計画」をご存知ですか。

その名の通り、地域の公共交通網、つまり電車とかバスとかをよりよい形にしていきましょう、ということなんですけども。

実はその件で先日まで沖縄県の北谷町というアメリカンビレッジがあるところに行っていたんです。


↓北谷町のこのエリア一帯をバスと自動走行カートのみ通行できる歩いて楽しいまちづくりをめざしている


――― ああ、行ったことあります。カラフルなイメージの。


青田 そうです。その北谷町はヒルトンホテルを誘致したりと観光拠点として注目されているところなんですが、そこの交通を柱とした開発構想に関わっているんです。

いま沖縄の交通手段としてはレンタカーが非常に多いんですけど、それだと特に海外からの観光客にやさしくないのですよね。

なので電車やバスや船などの公共交通機関を整備して県全体をダイナミックに変えていこうとしているんです。


――― まちづくりの次のキーワードが交通になってくるんですね。


青田 そうですね。国としてもそこに補助金事業として計画を支援する取り組みをしていますし、ますます全体の大きな流れになっていきます。

加えて「立地適正化計画」という都市計画の話もあるのですが、まあとにかく交通というのは大事なキーワードですね。


――― 青田さんは大型商業施設から都市計画、まちづくり、商業活性、交通計画と多岐に渡る分野を総合的に見れるすごい方だったんですね。すみません知りませんでした(笑)


青田 全然すごくはないですよ(笑)

話を茅ヶ崎に戻すと、そうやって大きな流れにうまく乗りながら、より地域の皆さんにとって持続的に住みやすい街にしていくというのは本当に大切なことだと思うんですね。

あとはこれから自動運転や配車アプリといったテクノロジーの波も来ていますから、そこも理解していく必要があります。


――― 商店街の安全安心と発展という点ではテクノロジーはどんどん活用していきたいですよね。


青田 そう思います。

たとえばのアイディアですけど、雄三通りをトランジットモール(公共交通機関優先道路)にして、スマホアプリで乗りたいところにバスがきたり、そのまま帰りがけにプレンティーズでアイスの予約ができて店の前で受け取れたり、そういう未来も想像できますよね。


↓プレンティーズのアイス



――― それは楽しそうですね。歩行者との事故も起きなさそうですし。


青田 やはり市民にとっても観光客にとっても「歩きたくなる道」をいかにしてつくるかというのが重要なので、そのために変えるべきところは大胆にかえるという発想もあったら面白いと思います。

もちろんそのときには渋滞が起きないような交通計画を綿密に立てる必要もありますし、なにより皆さんのご理解が大切です。

そういうことをだれかに任せるのではなく、行政と商店・市民が一体となって進めていけると良いと思います。


――― とても夢のあるお話でした。インタビューは以上です。ありがとうございました。

(おしまい)


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▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter

2015年に茅ヶ崎市に移住し、2017年に「エキウミ」を立ち上げる。東海岸商店会の公式サイトの運営や、アクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティング、記事の寄稿も行う(SUUMOタウン「まだ茅ヶ崎に行ったことのないあなたへ」)。


▼編集アシスタント 小山勇

千葉県出身。2016年茅ヶ崎市へ移住。2018年からエキつくに参加。湘南周辺で不動産、ハウスメーカーを経て現在は茅ヶ崎から都内へ通勤。趣味はサーフィンとグルメスポット巡り。最近は、カメラを持って散歩とおつまみ作りがマイブーム。

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