【マシューの小出俊介さん】人材不足にならない飲食店の秘訣。
(前回の記事はこちら→コミュニティの力で街を盛り上げる。)
■10年後の約束
――― 小出さんがお店を始めたのは8年前というお話でしたが、それまではなにをされていたのでしょうか。
小出 東京の大学に通っていた頃、イタリアンのホールでバイトをしていたんですね。
朝から晩までハードに働く社員さんを見ていて「飲食店なんて絶対にやるもんか」って思っていました(笑)
――― はい(笑)
小出 ただよくつるんでいた友だちが「将来カフェをやりたい」と言うので結構つき合わせられて。
渋谷とか新宿でカフェ巡りをしていくなかで、なんか面白そうだなって思い始めたんです。
――― お店をやりたくなったのですね。
小出 それにきっとその友だちとやれば面白いだろうなっていうのもあって、「じゃあ10年後にはお店をつくろう」って約束をしたんですよ。
■約束を果たす日
――― なぜ10年後と決めたのでしょうか。
小出 ゼロからスタートは怖すぎるのと、お店を開くときはお金も借りずに無借金でやろうっていう計画でした。
――― 大学生の頃から計画的ですね。
小出 お店を始めるまでは色んなもの吸収したかったので、カフェで一通り学べたと思ったら、次は和食、次はフレンチという感じで、大学時代も合わせたら計12年くらい飲食店修行をしました。
料理や接客だけでなく店長として経営部分をやれるところもあったりして。
――― では友だちとの約束のタイミングまでに、お店を開く準備は整ったのですね。
小出 そうですね。それまでお互い毎月7万の貯金をして、計画通り無借金で開業できました。
茅ケ崎の駅徒歩10分の場所で地域密着のお店ができたのもそのおかげです。
――― すごい!
小出 ちなみにマシューの「シュー」は僕の「俊介」から取って、「マ」はその友だちの名前からとったものなんです。
いまはお互い別々のお店をやっていますが、彼には感謝しています。
■やりたいことをサポートする
――― 前回、マシューさんを「スタッフに任せられるお店にした」というお話がありましたが、飲食店は人不足で悩んでいるところが多いですよね。
小出 マシューの場合は真逆で、むしろ応募をいただいても断ってしまっている状況です。
だからなおさら、どんどん新しいことにチャレンジしないといけないと思っています。
――― どうしてマシューさんには働きたい人が集まるのでしょうか。
小出 意識しているのは、その人がやりたい事をサポートするということですね。
僕は周りの人が全員幸せになって欲しいと思っていて、スタッフには目標を立ててもらってるんですよ。
――― 小出さんのように、目標を持ってもらうのですね。
小出 そうです。まずなにがしたいのかを話し合って、それをサポートするんです。
たとえばいまの店長は二十歳になったばかりなんですけど、いろいろ話していく中で「10年後うちの会社の社長になる」って言うんですよ(笑)
なので、「じゃその時は任せるからな」って言っています。
――― 代表も受け渡すんですか。
小出 そうですね。そういう目標を立てるということをアルバイトの主婦の方にもしているので、みんな目標を持ってやってくれています。
僕はそういう人たちのサポートすることに幸せを感じるんです。
■夢を持ち続けられる会社
――― 一人ひとりのやりたいことをサポートしたいのですね。
小出 はい。いま言った主婦の方なんかはすごい頑張ってくれていて、娘さんがもう少し大きくなったら社員になって欲しいと思っているんですね。
一般的には社員というとフルタイムを想像すると思うんですけど、それって固定概念だと思っていて、柔軟な働き方ができる社員の形というのもつくっていこうと思っています。
――― 素晴らしいと思います。
小出 歌手活動をしている子もいるんですけど、今度横浜でワンマンライブをするんですね。
それに向けてライブ活動をいま頑張っているので、最近はあまりシフトに入れていないんですけど、それもすごく応援していて。
マシューって年中無休なんですけど、彼女のワンマンライブの日だけはみんなで応援に行くのでお店をお休みにするんですよ(笑)
↓歌手活動をしているスタッフ
――― すごい(笑)
小出 いまの時代は一つの事だけをやっていく以外の働き方もあると思っていて、いろんな形態があって良いじゃないですか。
しかもマシューは食を扱っているので、スポーツ×食とか、音楽×食とか、みんながやりたいことと絡めやすいからサポートもしやすいと思っていて。
――― なるほど。
小出 そうやっていろんな夢を持てる会社にしたいし、せっかく出会っていい関係でやっているわけですから、やりたいことがやれる環境はつくっていきたいですよね。
――― マシューが人材不足にならない理由がよくわかるお話でした。次回は今後の展望について伺いたいと思います。
(次回に続く→死ぬまでに自分の生きている意義を残したい。)
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▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter)
2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。東海岸商店会の公式サイトの運営や、ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。
▼編集アシスタント 小山勇
千葉県出身。2016年茅ヶ崎市へ移住。2018年からエキつくに参加。湘南周辺で不動産、ハウスメーカーを経て現在は茅ヶ崎から都内へ通勤。趣味はサーフィンとグルメスポット巡り。最近は、カメラを持って散歩とおつまみ作りがマイブーム。
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