【経営コンサルタントの塚本裕丈さん】茅ヶ崎に来て人生が変わった。元リクルートの営業責任者がいま思うこと。

茅ヶ崎に住む面白い人を紹介する「茅ヶ崎で暮らす人」。今回は経営コンサルタントをされている塚本裕丈さんにご登場いただきます。茅ヶ崎に来てから、リクルートで営業責任者として働いていた頃とはまったく違う人生を歩んでいる塚本さんのお話を、ぜひ最後までお読みください。



■リクルート時代


――― 本日はよろしくお願いします。


塚本 よろしくお願いします。


――― まずは塚本さんのことをご存じない方のために、自己紹介をお願いできますか。


塚本 はい。私はもともとリクルートという会社に所属していて、ホットペッパーというサービスのエステ領域で営業責任者をしていました。

現在は茅ヶ崎で「スマイルビーチスタンダード」というコンサル会社を経営しています。


――― ホットペッパーのエステ領域ということは、ホットペッパービューティですよね。その業界では圧倒的な存在感という認識です。


塚本 そうですね。いまでこそ、そう言っていただける媒体になっていますが、私が関わっていた当初は「ホットペッパーといえば居酒屋」という認識の方が強かったんです。

ですから、私が関わっていたビューティ領域は、会社からしたらメインではないという感じでした。


――― なるほど。


塚本 だから逆に自由にやらせてもらったというか、社内にはその領域に詳しい人がいないので、外に外に出ていくじゃないですか。

それで社外に知り合いが増えて、エステ領域でなにか相談がある方から直接お声がけをいただけるようになったんです。


↓リクルート時代の塚本さん


――― 男性でビューティ部門に詳しいというのは、武器になりそうですね。


塚本 私も最初はこの分野のことは全然わからなくて、正直どうしようという感じでした。

ただ仕事にのめりこむきっかけを、私の祖母が与えてくれたんです。


――― どんなきっかけでしょうか。


塚本 祖母は100歳で亡くなったんですけど、その亡くなる四年前に寝たきりになって病院生活をしていたんですね。

私は祖母からすごく可愛がられて育ったんですけど、最期の頃はそんな私のことですらわからなくなっちゃう時期が来ていて。


――― ええ。


塚本 ただね、素人なりに祖母の顔を剃って、髪をセットして、ネイルをしてあげて、「ほらおばあちゃんキレイになったでしょ」って鏡を見せてあげたら、祖母の記憶がその時だけ蘇るんですよ。

それを見てね、「女性にとって綺麗になるっていうのはこんな力があるのか」っていうのを目の当たりにして。

そこからビューティー領域の仕事にのめりこんでいったんですよ。


――― すごい話ですね。


塚本 エステとか美っていうのは、女性にとってこれだけ意義のあることなんだと。

で、女性が元気になると男性も元気になって、社会全体も元気になるっていうことがあるのかもなって思い始めて。

そんなこともあって仕事にのめりこんでいたら、ビューティ領域で関わる方が増えて、業界団体の理事や、エステ会社の役員もやらせていただいたりしているんです。


■DORON’S SHOP のDORONさん


――― リクルート時代はかなり猛烈に働かれていたんじゃないですか。


塚本 そうですね、そういう時期もありました。ただ私は、茅ヶ崎に来て人が変わったんです。

茅ヶ崎って、なにをしてるのかわからない人たちがいっぱいいるじゃないですか。


――― いますね(笑)


塚本 波が良いと、平日なのに100人ぐらいのサーファーが海に現れるわけですよ(笑)

波がないときにいなくて、波があると平日だろうとなんだろうと現れるこの人たちってなんなんだと思うじゃないですか。

本当に不思議でしょうがなかったです。


――― わかります。


塚本 彼らは波があったらサーフィンに行きますよね。

私は波があっても東京の会社に行くじゃないですか。

「あれっ?」っていうね。これはどうもおかしいぞと(笑)

心身すり減らして働くのがなんだか馬鹿らしくなっちゃって。


――― 特に影響を受けた人などいらっしゃいますか。


塚本 私の波乗りの師匠が「DORON’S SHOP」というサーフショップのDORONさんなんですけど、本当によく怒られるわけですよ。「お前なにやってんだ」と。

よく考えたらこっちは客なんだけど、「波が良いときに海入らないでどうすんだ」って、真顔で怒られる。

「いやそうはいっても仕事があるんですけど」って思うんですけど、しょっちゅう言われるうちにもうどっちが正しいかよくわかんなくなって(笑)


――― (笑)


↓DORONさんと塚本さん


塚本 一緒に海に入ると、海の端っこから「塚本――!来――い!」って呼ばれて行くじゃないですか。

それで行ったら行ったで「もういまは近く来んな」って追い払われるんですよ。

波が良い時と悪い時とで、言うことが全然違う(笑)


――― ひどい(笑)


塚本 でもね、彼はもう68歳ですけど、海に入ってるときはやっぱり誰よりもかっこいいですよ。

でもまあ付き合いも8年ぐらいになってきたので、「ちょっとそれは意味わかんないっす」ぐらいは言える関係にはなってきたかな(笑)


■Froggiesの小田さん


塚本 もう一人、雄三通りにある「Froggies」っていうバーの小田さんにもすごくお世話になってます。

だいたい週二ぐらいで行ってるんですけどね。


――― どんな方ですか。


塚本 小田さんはね、まず普段から「客が来ない」って言ってるのに、新しい人が来ると「あれ誰だ?」って客の私に聞いてくるんですよ。

普通に一見さんがお店に来てくれてるだけの話なんですけど、なぜか警戒してるんですよ。


――― (笑)


↓塚本さんと小田さん

塚本 しつこく「お前知ってる?」って聞いてくるからこっちも「いや小田さんの店なんだからちゃんと接客してこい」ってつっこむんですけどね(笑)

だから初めて行くなら、私と一緒に行った方が良いですよ。

いや、冗談ですけどね。


――― ぜひお供をお願いします(笑)


塚本 まあDORONさんと一緒で、小田さんもめちゃくちゃなんだけど憎めない人なんです。

その証拠に、DORONさんや小田さんの周りには、彼らを慕う人がたくさんいて、みんな良い人たちで。

そうやって茅ヶ崎の知り合いがたくさん増えたおかげで、本当に毎日が楽しいんです。


↓DORONさんと小田さん(塚本さん撮影)


――― そうなんですね。


塚本 そういう人たちと関わっていると、やっぱり生き方も影響を受けるじゃないですか。

それで、リクルートには早期退職制度があったので、辞めることにしました。

茅ヶ崎って、そういう「なにが大事なんだっけ」っていうことを気づかせてくれる空気感があるんですよね。

そのままずっと東京にいたら、気づくことはできなかったと思います。

だから、リクルート時代の私を知っている人たちからすると、「顔つきが変わった」とか、「しゃべり方が変わった」ってよく言われるんですよ。


(次回につづく→味噌汁コミュニティカフェで社会を変えたい。



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▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter

2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。東海岸商店会の公式サイトの運営や、ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。

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