【7 SEAS PROJECTの篠原智昭さん】娘の夢を叶えたい。治療法のない「ミトコンドリア病」の患者家族として、治療法を創る活動を先導。
(前回の記事はこちら→治療法のない難病「ミトコンドリア病」に立ち向かう茅ヶ崎の家族の物語)
――― 篠原さんは「7 SEAS PROJECT」の代表をされていますが、どんなプロジェクトなのでしょうか。
篠原 まだ治療薬がない「ミトコンドリア病」の治療薬を創ることを目的に、活動をしています。
「こいのぼり」という、お医者さんや製薬企業の研究者などの医療関係者で構成された非営利組織から生まれたプロジェクトです。
↓7 SEAS PROJECTのイメージムービー
――― その「こいのぼり」に、篠原さんも理事として関わっているんですよね。
篠原 はい。やはり私は患者家族というこれ以上ないモチベーションがありますから、このプロジェクトを成功させるまで絶対に諦めない原動力のような役割になれたら、と思っています。
――― 患者家族が代表として難病の新薬を創るというのは、珍しいんじゃないですか。
篠原 おそらく日本で初の試みだと思います。
アメリカでは自分の子どもの難病「ポンペ病」を治すために製薬会社を作った方がいて、ハリソン・フォードが出演している「小さな命が呼ぶとき」という映画のモデルにもなりました。
――― ちなみに7 SEAS PROJECTの進捗としてはいかがでしょうか。
篠原 実は現在9つの治療法を同時に研究しているのですが、そのうちのいくつかを数年後に治験につなげられるように進めています。
↓7 SEAS PROJECTのポスター
――― そうなんですか!
篠原 はい。もちろん絶対はありませんが、このプロジェクトは皆さまのご寄付で成り立っていますので、その思いも背負いながら成功させたいと思っています。
寄付に添えられたメッセージには、「近所で七海ちゃんご家族がお買い物をしているのを見かけました。とても楽しそうでこちらも嬉しくなりました。これからも頑張ってください。」といったものもありました。
――― 確実に茅ヶ崎の方ですね!嬉しいですね。
篠原 茅ヶ崎は七海の生まれ育った街ですから、とても嬉しいですよね。
他にも茅ヶ崎の企業の社長さんからご寄付をいただいたり、中には自分で募金箱を持って集めたお金をご寄付くださる方もいらっしゃいます。
――― すごい。
篠原 私の中では将来七海が自分で歩いて、おしゃべりしている姿を常にイメージしているんです(笑)
いま七海はしゃべることはできませんが、アイコンタクトで意思疎通はできますので、何が嬉しいとか、夢は何かとか、そういうことをよく聞くんですね。
――― 七海ちゃんにはどんな夢があるんですか。
篠原 私とマラソンがしたいとか、あとは女優になりたいとか(笑)
心は小学一年生の女の子ですから、たくさん夢があるんです。
――― 篠原さんのお子さんですから、きっと叶えると思います。
篠原 七海は茅ヶ崎養護学校にいながら、週に二日だけ茅ヶ崎小学校にも通わせてもらっているのですが、それも七海が自分からそうしたいと伝えてくれたから実現しました。
篠原 茅ヶ崎小学校の教室に行くと、クラスメイトたちが「七海ちゃんおはよー!」「遊ぼー!」って言ってくれるんですけど、それまで七海は滅多に手を上げたことなんてなかったのに、そのときスーッと手を上げたんですね。
――― 嬉しいんですね。
篠原 体調を整えるために授業の途中で帰らせてもらうこともあるんですけど、クラスの子たちが「七海ちゃんとハイタッチするー!」って集まってきてくれたりして。
授業中だから申し訳なくて「いいよいいよ」と言うのですが(笑)
――― 周りの子に与える好影響も大きいでしょうね。
篠原 だと良いのですが(笑)
通学途中で会う方々からもよくお声がけをいただけて、とても嬉しいです。
北村牛肉店の奥さんなんかは、目の前を通るとわざわざ出てきてくださって、七海に「元気―?」って元気に話しかけてくれて(笑)
――― 逆に接し方がわからないという人もいると思うんですが、いまのお話を伺っていると小学一年生の女の子と普通に接する感じが良いということですね。
篠原 そうですね。「こんにちは!」「元気?」「またねー!」みたいに、普通にしてくだされば、七海も目をパチパチして返事をします。
車椅子に乗っているせいか、たまに赤ちゃん言葉を使われる方がいらっしゃいますが、心は小学一年生の女の子ですので、普通に接してくださると嬉しいです。
――― 最後に、この「エキウミ」は雄三通りの活性化を目指しているのですが、何かアイディアをいただけますでしょうか。
篠原 雄三通りは茅ヶ崎小学校に通うときに横断しますし、よくお買い物もさせてもらっている大好きな通りです。
もし可能でしたら、入口に高めの段差があるお店は、車輪で上がれるようにしていただけると、他の車椅子の方も喜ぶのかなと思います。
――― それはとても大切なご意見だと思います。ちなみに雄三通りでよく行かれるお店はありますか。
篠原 とてもお世話になっているのは岡田治療院で、やはり七海は脳細胞が弱っているため自律神経を整えてもらったり、寝たきりなので関節が曲がらないようにしてもらったり、そういうところで助けていただいています。
他にも、たまや、魚卓、クリエイト、プレンティーズ、サンドーレ、ビーグロット、湘南花物語、パシフィックスタイル・・・クーカイ、マシューで、七海を連れて食事をしたこともあります。駅前の濱田屋のお弁当も好きです!
――― めちゃくちゃ地域でお買い物されていますね(笑)
篠原 そうですね(笑)
最近はRYU AMBEさんの絵も増えて来て、雄三通りはますます素敵になっているので、これからも七海を連れてお買い物をできたらと思います!
――― インタビューは以上です。ありがとうございました。
(おしまい)
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【湘南・茅ヶ崎で暮らす人:7 SEAS PROJECTの篠原智昭さん】
・第1話:治療法のない難病「ミトコンドリア病」に立ち向かう茅ヶ崎の家族の物語。
・第2話:娘の夢を叶えたい。治療法のない「ミトコンドリア病」の患者家族として、治療法を創る活動を先導。
▼インタビュー・編集 小野寺将人(Facebook / Twitter)
2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。
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