【おイシイ農園(ミニトマト専門農家)の石井政輝さん】お客さま目線の農業。販売からスタートしたことが現在の強みに。
(前回の記事はこちら→人生の岐路となったX-JAPAN hideの死去と、農業に活きるギター作り。)
――― 前回、農業高校の後は音楽専門学校に行かれた話を伺いましたが、ご卒業後はどうされたのでしょうか。
石井 卒業後は雄三通りに本店がある長谷川楽器の、茅ヶ崎北口店で23歳までバイトをしていました。
そこで販売の経験を積んだことが、いまミニトマトを直接売るマルシェの販売に活きています。
ちなみに、私にとってはこのマルシェが就農するきっかけとなりました。
――― マルシェをきっかけに就農を決めたのですか。
石井 はい。茅ヶ崎の公園野球場で毎週土曜日に開催されている「海辺の朝市」で、父が作っているトマトを販売しに行くようになったのですが、そこでお客さまからいただくミニトマトの質問に答えられないことがよくありました。
例えばお客さまから「先週のは少しすっぱかった」と言われたときに、なぜだかわからないので「はぁ、すみません」という返ししかできなかったのです。
▼マルシェに出店している様子
――― なるほど。
石井 ギターを作るのと一緒で、農業にも理屈があるはずだと思い、就農を決めました。
私の場合は最初に生産からではなく対面販売から農業に入ったので、お客さんのニーズがわかるので、それが自分にとっては良かったですね。
――― 一般企業でも新卒社員に営業からスタートさせるところは多いです。
石井 はい。それと同じだと思います。
ですので、お客さま目線で野菜作りができることが私の強みになっています。
販売から始めたことで、どうやったら売れるのかを考えるクセもついていて、例えば当時はみんなトラックの荷台で野菜を売っていたのですが、私がテーブルに載せて見せ方を工夫していたら、みんなが参考にしてくれて、今ではそれが普通になりました。
――― いまの売り方のスタンダードを作ったのですね。
石井 もちろん私ひとりで思いついたわけではなく、二子玉川や青山の国連大学前のマルシェに出張したりしながら、学んでいきました。
周りに比べて若い自分がスタイリッシュな売り方をしていたので、海辺の朝市にいる若いお客さんたちにウケが良かったのもあると思います。
(次回につづく→地域貢献は「地域のため」か、「自分のため」か。)
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【Think Chigasaki:おイシイ農園(ミニトマト専門農家)の石井さん】
・第1話 神奈川県で唯一のミニトマト専門農家。16代目農園主が語る農業と農協と地産池消。
・第2話 人生の岐路となったX-JAPAN hideの死去と、農業に活きるギター作り。
・第3話 お客さま目線の農業。販売からスタートしたことが現在の強みに。
・第5話 茅ヶ崎産のブランド価値が高まれば、茅ヶ崎の価値も高まる
▼インタビュー・編集 小野寺将人(Facebook / Twitter)
2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。
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