【黒糖茶房の大森健司さん】黒糖茶房の空間はすべてに理由がある
(前回の記事はこちら→自分だけの土俵を見つける)
――― お店の場所について、茅ヶ崎の雄三通りを選んだのはどういった経緯だったのですか?
大森 沖縄純黒糖を柱とした和カフェをやることは決まっていたので、最初はそういうのが好きな客層が一年中集まる鎌倉で物件を探していました。
一年ぐらい探していたのですが、まず金額が高かったのと、あとは不動産屋も素人相手なのであまり乗り気になってくれませんでした。
――― 鎌倉は敷居が高かったのですね。
大森 はい。そんなとき、知り合いが茅ヶ崎の雄三通りに良い物件があるということを教えてくれて、見に行きました。
茅ヶ崎には外食文化もあるし、雄三通りは南口のメイン通りなので良さそうだということは直感的にわかりました。
――― なるほど。
大森 茅ヶ崎市役所に行って昼間人口や男女比、年齢などをみて、商圏になりそうな範囲について調べたり、一日お店の近くに立ってみてどんな人がどれだけ通るかを観察したり、とにかく慎重に調べつくしました。
――― もはや土地仕入れのプロですね。
大森 いえいえ、失敗したくなかっただけです(笑)
「黒糖茶房」は大人の女性に好まれるような、落ち着いた雰囲気の和カフェにしたいと思っていたのですが、雄三通りのこの場所ならやって行けると思いました。
――― ターゲットは大人の女性ですか。
大森 はい。そもそも「沖縄純黒糖」は品質が高く、簡単に仕入れることもできないため、それなりの原価が発生します。
そうなると、どうしても安くない価格設定になり、それでも来てくださるお客さんを選ぶ必要がありました。
――― あとは夫婦経営となれば客数で回転率勝負よりも、単価を上げる必要があるということもありそうですね。
大森 それもあります。黒糖茶房にいらしたお客さんにはゆっくりと落ち着いて過ごして欲しいので、回転率がどうのというのはコンセプトに逆行していると思います。
――― コンセプトありきで、すべてを決めているのですね。
大森 はい。外装、内装、雰囲気、メニュー構成、提供の仕方、それこそ器一つ取っても、すべて軸からぶれないように気をつけてこのお店は作られています。
例えばメニューであれば、「黒糖」や「黒蜜」に合わないものは一切用意していませんし、提供の仕方も「黒糖茶房」の刻印が入ったプレートに乗せて、ちょっとした特別感を演出してお出ししています。
大森 接客で言えば、いらっしゃるお客さん全員にゆっくりと過ごして欲しいので、常連さんであっても距離が近過ぎる接客はしないようにしています。
内装で言えば、イスとテーブルを低めにしているのも、その方がご年配の方にとって良いですし、天井が広く感じられてより落ち着いて過ごせるという理由があります。
――― 黒糖茶房の空間にあるどれを見ても理由があるんですね。ご夫婦のどちらもそのこだわりは強いのですか?
大森 そうですね。ただターゲットは女性なので、やっぱり妻にたくさん意見をもらって作っています。やっぱり女性の気持ちは女性にしかわからないと思います。
夫婦で仕入れがてらよく外食をするんですけど、色々なお店から日々学んで、黒糖茶房に取り入れることを話し合うのが習慣になっていますね。
(次回につづく→自分だからできること)
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【雄三通りで会える人 黒糖茶房の大森さん】
・1話目 黒糖茶房の大森さん。2転3転の会社員時代
・2話目 自分だけの土俵を見つける
・3話目 黒糖茶房の空間はすべてに理由がある
・4話目 自分だからできること
▼インタビュー・編集 小野寺将人(Facebook / Twitter)
2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。
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