【キャラクターデザイナーのRYU AMBEさん】「今」だけを見て生きてきた
(前回の記事はこちら→「30歳までは何をしていても良い。好きなことを見つけて、インプットをたくさんしろ」)
――― いつ頃から絵で食べていくことを決意したのですか?
RYU 23歳頃にワーキングホリデーから帰ってきてからは、アパレル関係のアシスタントや、音楽関係のデスクなどで働いたのですが、そういう社会に出てみて感じたのが、「ここに自分は必要ない。自分は何もできない」ということでした。
――― なるほど。
RYU そうやってモヤモヤを抱えている頃、藤沢にある画廊にいる方に自分のスケッチブックを見せたら興味を持ってくれて。
そこから話が進んで、急にホテル日航東京(現:ヒルトン東京お台場)のギャラリーで個展を開くことになったんです。
――― 急展開ですね。
RYU そうですね。結局あまり人も呼べずに成功とは言えない結果だったんですけど、そのときに父から「今後どうするの?」と将来の話をされて、「絵の道に行く」と答えました。
↓ホテル日航東京の個展の作品
――― そこで覚悟を決めたのですね。その後、絵の仕事はすぐに見つかったのですか?
RYU すぐには見つからず、バイトをしながら過ごしていました。
あるとき、フォーライフミュージックエンタテイメントの社長の後藤さんが開いた代官山のパーティに父が行っていたんですけど、たまたま僕も代官山にいて、後藤さんに会ったんですね。
そこで絵を見てもらったら後藤さんが気に入ってくれて、絵本の絵を描く仕事をいただきました。
――― 絵本ですか。素敵ですね。
RYU はい。「あからんくん」という絵本なんですけど、それが初めての絵の仕事でした。初めてだったので困惑することも多かったですが、とても勉強になりました。
↓あからんくん
――― ちなみに、茅ヶ崎駅前の雄三通りだとbowl market juice & deliやewaluなどで外壁にRYUさんの絵が描かれていますが、あれはどういうきっかけだったのですか?
RYU 例えばbowl market juice & deliの場合は、お店にいたメグさんと話をしているときに、絵を描いていることを伝えたら、「そこ描いて良いよ」って言ってもらえて。
周りからも「あれ見たよ」みたいなことは結構言われて、ewaluの絵でも同じようなことがあったので、壁に描くということの価値を知りました。
↓bowl market juice & deliの外壁に描いている様子
――― では、その後は積極的に壁に描く営業をされているのですか?
RYU それが、僕はあまり営業をしないようにしているんです。
と言うのも、営業をすると自分のエゴと相手のエゴがぶつかってしまって、良いものが描けなくなると思っています。
まだ全然名前も売れていませんし、わがままを言うつもりはないのですが、やっぱり自分が良いと信じるものを描かないとだめかなと。
――― そうなんですね。今でもバイトを続けながらアーティスト活動をしているのですか?
RYU 今年の1月にバイトは辞めました。2016年10月に茅ヶ崎の一中通りにあるMar-Vista Gardenの個展で手ごたえがあったので、それ以降は絵を描くことに専念できています。
――― 今後、何か目標にしていることや、ベンチマークなどはありますか?
RYU ハンナ・バーベラ、ドクター・スース、ティム・バートンのような作品が作れる人になれたら良いなとは思います。
ただ、あまり型にはまらないようにしたいと思っていて、自分の作品がブランドとして認識されて、それをリスペクトしてくれる人とコラボしたりすることができたらすごく良いなと思います。
――― ベンチマークはありつつも、30歳でこう、40歳でこう、という風には考えないということですね。
RYU はい。これまでもずっと、周りに支えられながら「今」だけを見て生きてきました。
僕にとって怖いことは、将来のことよりも、今のこの気持ちを忘れることです。
だから将来のことはそんなに考えないのですが、10年後20年後にも今と同じ気持ちで絵を描いている状態でいたいなとは思います。
――― これまでも、これからも、今を生きる人でありたいのですね。インタビューは以上です。ありがとうございました。
(おしまい)
<作品>
【Yuzo-dori Creator's Life:キャラクターデザイナー RYU AMBEさん】
・1話目 「30歳までは何をしていても良い。好きなことを見つけて、インプットをたくさんしろ」
・2話目 「今」だけを見て生きてきた
▼インタビュー・編集 小野寺将人(Facebook / Twitter)
1986年生まれ。2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。
0コメント