【ゆうゆう保育園の齋藤綾子さん】子育てをしながら作り上げた保育園。


開園して6年目を迎えるゆうゆう保育園。子育て中のママでもある齋藤園長の「愛」を大切にした保育がうまれた道のりと、保護者の皆さんたちの悩み解決のために取り組んでいきたい夢とは。今回が最終回です。

(前回の記事はこちら → 「大好きだから」行きたくなる。海まで歩いて行ける雄三通りの保育園。




■認可保育園になるまでの道のり


――― ご夫婦で開園されたと聞いています。開園から丸5年を迎えたところですが、ゆうゆう保育園を始めるに至った経緯を教えてもらえますか。


齋藤 はい。ちょうど1人目の子どもが生まれてから、主人の仕事の都合でいつどうなるかわからなかった状況と、私の育児休暇が重なったんですね。その上、希望の保育園にも受からなくて、途方に暮れていたんです。


――― 待機児童の壁ですね。


齋藤 はい、まさに・・。

そんな状況だからこそ、主人は何か始めようという意識はあったみたいで。

そこで、保育を自分たちで始めようということになったんです。


――― おもいきった決断ですね。


齋藤 そうですね(笑)

全てが初めてのことなので、保育のコンサルタント会社に協力してもらって、ノウハウを教えてもらっていたんですが、物件探しに3年もかかってしまったんです。


――― 3年も!?


齋藤 そうなんです。駅からは近い方がいいし、広いところがいいし。

保育園を開園するには、面積だけでなく防火設備など建物自体にも厳しく決まりがあるんです。

その上、認可外なので園児の人数を確保して自力経営できるよう試算しなくてはいけなかったから、候補の物件が見つかっても、すぐ契約というのはできなくて。


――― そうなんですね。


齋藤 その間にめでたいことに主人が正社員になってしまって・・・結局、メインで保育園を運営するのが私になってしまったんです(笑)


――― なんと・・おめでたいけれども、子育てしながらがんばっていかなきゃならなくなったんですね。


齋藤 はい。開園当初は園児募集のチラシを主人が毎朝4時とか、5時に起きてポスティングしたり、私も駅前でチラシを配ったり、園の前に手作りの看板を作って「どうぞ見学自由です」とかしてみたり、とにかく二人でやってましたねぇ。


――― 開園当日には何人くらい集まっていたんですか。


齋藤 実は誰もいませんでした!(笑)


――― え!!


齋藤 普通は工事している最中で、先生の面接と子供たちの入園見学を同時進行でやっていくものなんですけど、私も2人目の子供が生まれてしまって、もう身動き取れなくなってしまって。


――― そうだったんですね。


齋藤 それから少しずつ園児も集まってきて、のちにゆうゆう保育園の保育の基礎をつくってくれる先生にも入っていただけたんです。

ただ、認可外だったので園児の入れ替わりも多くて、経営面でも大変なときもあって、先生たちにも苦しい思いをさせてしまった時期があったのは少しツラい思い出ですね。



――― そんな中で、2年前に認可を取ることができたんですね。


齋藤 はい。認可保育園だと運営費の補助金があるので、安定した経営ができるようになって。

園庭に念願の柵を設置することもできて、子どもたちがちょっとした時間に外遊びできるような環境をつくれました。


――― よかったですね!


齋藤 それに私自身にも余裕が出てきたというところがありますね(笑)

それまでは、朝起きたら保育園。園児たちが帰ったら、自分の子供を遊ばせながら夜遅くまで事務仕事・・・を繰り返す毎日だったので・・(笑)


――― 大変でしたね。


齋藤 認可が下りた日はどうしても「マックを食べたい!」と思って、市役所からの帰り道にマックに立ち寄れたことは忘れられません(笑)

それまでそんな余裕もなかったですから(笑)


■夢は子育てする親御さんたちのための“ベビーシッター”


――― ゆうゆう保育園を始めてから、何よりうれしかったことは何でしょうか?


齋藤 もう、毎日毎日ですね。今でも毎日毎日うれしいことがあって。

子どもたちからもらう、表情とか色々なものがいつもうれしくて。

私が保育に入っていなくても「えんちょうせんせ〜!」って近くにきてくれる。


――― いいですね。


齋藤 そんなかわいい子どもたちの姿を、保護者の方がお迎えにいらっしゃったときに「今日こんなことがあって・・・」なんてお伝えし、保護者の方と子どもたちの成長を共感しあえる時も本当にうれしいですね。

なので、毎日うれしい気持ちにしてくれる、子どもたちの保護者の悩みに応えていきたいなという気持ちがあります。


――― どんなことでしょうか?


齋藤 保護者の方々から聞く一番の悩みが”子どもの病気”なんです。


――― 子供か風邪ひいちゃったとか。


齋藤 そう、元気なのにインフルエンザだと7日間休まなきゃいけないとか。

仕事なんてそう簡単に一週間も休めないじゃないですか。



――― そうですよね。


齋藤 そういうことが、開園当初から今も聞かれる悩みなんです。

私は同居している母がいるからどうにかなりますが、誰も頼れない人たちもいるんですよ、本当に。


――― 近くに頼れる人がいないと、保護者の方もすごくツラい気持ちでしょうね。


齋藤 「病気が広まってしまうから保育園は休んでください」と、言ってしまうのは簡単なんです。それはできるけれども、どうにかしてあげたいという気持ちがあって。


――― 病児保育とかでしょうか?


齋藤 病児保育はかなり結構ハードルが高いんですよ。

子ども自身も病気で不安な気持ちのときに、親と離れて知らない場所に行きたくないじゃないですか。

なので、いま考えているのは自宅へ訪問するベビーシッターです。


――― ベビーシッターですか。


齋藤 都内ではあるんですが、茅ヶ崎ではベビーシッターがあまりなくて。

ゆうゆう保育園の理念にも沿って、保護者の悩みを解決できる事業の一つとして展開していくのがこれからの夢ですね。


――― なるほど、普段預けている保育園が対応してくれるベビーシッターだと安心感があるし、自宅に来てくれるなら子どもたちの不安な気持ちも少し軽くなりそうですね。


齋藤 そうですね。

ベビーシッターのことはまだ先になりますが、私自身、人と話すことが好きなので、子どもの病気のときだけじゃなくて、保護者の皆さんには普段から私を使ってガス抜きしてもらえたらなと思っています(笑)


■安全な雄三通りをみんなで目指したい


――― では最後に、雄三通りを盛り上げていくアイデアや気になっていることがあったら教えていただけますか。


齋藤 保育園として、あとは母親目線から、すごく気になっているのは、車のスピードです。

雄三通りは時速30km以下なのですが、子どもだけでなく高齢者の方も多い街なので、安全面が心配です・・・。


――― そうですね。安全安心な商店街を目指して、雄三通りスマイルプロジェクトでは時速30kmキャンペーンの取り組みなどを進めています。


齋藤 とてもいいですね。

路上駐車も気になるので、ぜひ街の人みんなでよくしていきたいですね!

他にも普段の保育や行事などで、子どもたちに商店街や地域の皆さんとの関わりを増やしていきたいと思っているので、ご協力いただける方がいらっしゃったら、ぜひ!(笑)


――― いいですね(笑) 本日はどうもありがとうございました。


(おしまい)




【茅ヶ崎・雄三通りで会えるあの人】ゆうゆう保育園の齋藤綾子さん

・第1話 「大好きだから」行きたくなる。海まで歩いて行ける雄三通りの保育園。

・第2話 子育てをしながら作り上げた保育園。




▼ゆうゆう保育園

住所:茅ヶ崎市東海岸北2-1-42 サンシルクマンション1階/TEL:0467-38-6360




▼編集アシスタント かんばやし ちえこ(InstagramFacebook

1988年東京都足立区生まれ。2015年に茅ヶ崎のシェアハウスへ移住後、そこで出会った夫と2018年に結婚し、現在は茅ヶ崎の海側でゆったりと二人暮らし。

大学卒業後に保育園運営会社で食育や野菜栽培研修の講師などに従事。その後、親子カフェベンチャーやNPOで学童保育運営、民間貸し農園ベンチャーで農園アドバイザーなど、20代は子ども×食農関係の分野で経験を積む。



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