【オステリア エ ボッテガ エッセの澤井博之さん】チーズ作りで第一次産業や地域の活性化に貢献したい
(前回の記事はこちら → “手作りのモッツァレラチーズを知ってもらいたい” 1年間歩きまわってたどり着いた茅ヶ崎の店。)
■人も魅力の街
――― 茅ヶ崎に移住し、お店を開いて1年ほど経ったんですね。茅ヶ崎での生活はイメージ通りでしたか。
澤井 気に入った街とはいえ、全く知らない土地でお店を開くというのは、不安がありました。
でも、始めてみたら来てくださるお客さまがいい方ばかりだったんです。
リピーターのお客さまが多いので、顔を見るとほっとします。
商店街や仕入れ先など周りの方もいい方が多くて、茅ヶ崎はすごくリラックスする土地ですね。
――― 茅ヶ崎といえば海やサザンのイメージが強いですが、住む人も大きな魅力の一つですよね。商店街との関わりも深いですか。
澤井 ここ1年は自分のお店のことでいっぱいいっぱいだったところがあるんですけど、2年目に入ったので商店街の活性化について協力したいと思っています。
先日はKEEP LEFTのイベントに参加させてもらいましたが、今後もイベントに参加したり、イベントを増やして行きたいですね。
その中でお店の方々との繋がりも強くしていきたいと思っています。
■茅ヶ崎は食の宝庫
――― お休みの日は何をされていますか。
澤井 海でジョギングしたりしていますね。もともと海が好きだったんですけど、やっぱり近くにあると気分転換にいいですね。
あと、営業日はなかなか外に出れないので、休みの日に食材の仕入れ先に行っていることが多いです。
――― そうなんですね。仕入れ先には頻繁に行かれているんですか。
澤井 トマト農家さんは毎週ですね。
――― それは実質お休みの日がないですね(笑)。
澤井 そうですね(笑)。
――― 牛乳は横浜の牧場さんとのことでしたが、他の食材も近くから仕入れているんですか。
澤井 そうなんです。各食材、茅ヶ崎を中心に近郊から仕入れています。新鮮で良い食材が多いんですよ。
それに微力ですが、その土地のものを使うことで地域の循環的な役割を担い、地元のお客さまに新たな食材や調理法を知っていただけたらいいなと思っています。
――― え、すごいお近くなんですね。茅ヶ崎でそんなに食材が作られているなんて知りませんでした。
澤井 お店を開く場所を茅ヶ崎に決めた理由の一つに、食材が豊富なこともあったんですよ。
野菜農家さんが多いので新鮮な野菜が手に入りますし、海がそこにあるので魚も新鮮。
お肉は豚も牛も銘柄があってなんでも揃うので、やっぱりいい場所だなと思います。
↓地元の新鮮な食材を使ったエッセの料理
■チーズ作りは社会問題解決の第一歩
――― 茅ヶ崎って知られていない魅力がまだまだあるんですんね。食は生しらすのイメージしかなかったです。
澤井 そうなんですよ。あまり知られていないのがもったいないなと思っていて。やっぱり農家さんや牧場さんといった第一次産業は大変な分野なんですよね。
例えば牧場さんは、絞った牛乳だけで生計が成り立つかっていうと、それがどんどん難しい時代になっていくと思うんです。
そこで、原料をいかに加工して商品として売っていくか、周知していくかが大切なんですよね。
――― そうすることで第一次産業に貢献できるんですね。
澤井 はい。僕はその思いもあって、チーズを作って広めていこうとしています。
加工食品が増えることで農家さんや牧場さんが助かるのかなと思うんですよね。
――― チーズ作りの裏側にそんな思いもあったんですね。チーズを広めていくことで、牧場さんも潤っていくということですね。
澤井 神奈川県は原料自体はあるので、それを売りにする店が増えればいいのになと思います。
茅ヶ崎だけで見ても、まだまだ伸ばせますよね。
――― ポテンシャルはあるのに活かしきれてないという感じなんですね。それこそ、「北海道といえば生キャラメル」みたいに、ブランド化して認知を広げていける加工食品があればいいですよね。
澤井 そうです。そうです。地元の人にはもちろん、お土産としてパッと思い浮かぶものが増えるといいですよね。
――― そうなれば街自体も活性化しますしね。澤井さんのお話で手作りモッツァレラチーズを見る目がグッと変わりました。チーズそのものの違いはもちろん、牧場や地域のことも伝えていきたい。澤井さんのチーズには「美味しい」を超えた意味があるんですね。インタビューは以上です。ありがとうございました。
(おしまい)
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▼インタビュー・編集 はつこ(Twitter/note/Instagram)
1995年生まれ。茅ヶ崎出身のフリーライター。大学卒業後、EC事業者に入社。2018年にフリーランスへ転身。主に商品やサービスの紹介記事を執筆。noteにてコラム、エッセイ、小説を更新。38℃を文章の設定温度とし、熱すぎず、半身浴のようにじんわりあたたまる伝え方を研究中。
▼編集アシスタント 権藤勇太
平日は都内で法人向けの業務改善提案を行う営業マン。休日は緑に囲まれた茅ヶ崎で畑をいじったり、キャンプしたりフットサルをしたりのんびり生活をしている。消防団に入ったことをきっかけに、自分が使うお金がどこに流れて回っていくのか興味をもち商店街の活性化に2018年参加。
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