【JAXAの山田隆弘さん】JAXAで見えてきた課題。必ず正しく伝わる文章のルールをつくりたい。

(前回の記事はこちら→小惑星探査機「はやぶさ」の通信方式を設計。「はやぶさ2」や金星探査機「あかつき」にも採用。


■宇宙は「たまたま」


――― 山田さんのご出身はどちらですか。


山田 私は生まれも育ちも茅ヶ崎で、途中NASAで働く都合上アメリカに住んでいましたが、いまも茅ヶ崎に住んでいます。


――― 茅ヶ崎は宇宙飛行士の土井隆雄さんや、野口聡一さんのゆかりの地でもあります。


山田 たまたま、そうですね。

私は東京大学ではコンピューターのソフトウェアの研究をして、大学院の五年間は通信の研究をしていましたが、特に宇宙を意識していたわけじゃないんです。


――― 私はJAXAに行くような方は、子どもの頃から宇宙に魅せられた方ばかりだと思ってました(笑)


山田 もちろんそういう人も多いですよ。

私の場合は、1983年に大学院を出て、当時の文部省宇宙科学研究所に就職をしました。

大学院の先生が、文部省宇宙科学研究所で通信の専門家を探しているから、たまたま「君行かない?」って言われて。

その時は「宇宙の研究もつまらなくはないだろう」ぐらいにしか思ってませんでした。


――― そうなんですね(笑)宇宙に関わるために、それに必要な勉強をしてきたわけではないんですね。


山田 はい、違います。まったくの偶然です。

でもまあ「はやぶさ」で私が考えた方式を採用してもらって、実際に宇宙で動いているのを見たときは、さすがにぐっとくるものはありました。

もうすぐ定年を迎えますが、この道を選んで悪くはなかったなと。


■必ず正しく伝わる文章のルール


―――そろそろ定年を迎えられるということですが、今後の展望や夢などはありますか。


山田 夢、ありますよ。

人工衛星をつくる仕事をしてきた中で出てきたテーマなんですけど、私は「必ず正しく伝わる文章のルール」をつくりたいんです。


――― どういうことでしょうか。


山田 ひとつの人工衛星をつくるのに、多くの人たちが関わっていますよね。

そこで私が通信部分の設計指示書を書いて外注する場合、なかなか正しく伝わらないことが起こるわけです。


――― 新しい方式だとなおさら起きそうですね。


山田 書く側と読む側の前提知識が揃っていなかったり、そもそもの考え方が違ったりもする。

それぞれが自己流だと、どこかでひずみが出るわけです。

実際にものを作ってみてうまく繋がらないと、戻しが発生して時間がかかってしまったりもします。


――― はい。


山田 人工衛星というのは打ち上げの時期が決まっているから、うまく繋がらなくても、「じゃあそこは使わない方法で行きましょう」なんてことにならざるを得ないこともあるわけです。

それは良くないので、その矛盾がそもそも生じないような文章にしなければいけないのですが、それがなかなか難しい。

そういうことがあるので、「必ず正しく伝わる文章のルール」を作りたいんです。


――― つまりプログラミング言語のようなことですね。


山田 そうですね。それをより抽象度が高いものでも使えるような、プログラミング言語と日本語や英語の中間ぐらいのレベル感で、文章が作れるルールを定義したいと思っています。

学会で発表したりもしてるんですけど、なかなか理解されなくて(笑)


――― よくネットの世界では「今後は外国語に翻訳しやすい日本語文章を書けるスキルが求められる」ということが言われるのですが、似ている話かも知れませんね。


山田 感覚的にはそういうことかも知れません。

私の論文が出版されて、そのあとに社会で実現するのがゴール。

私が生きてる間に完成するかわからないけども、やりたいですね。


■居心地の良い海岸整備


―――それでは最後に、この「エキウミ」は雄三通りを盛り上げるアイディアを皆さんに伺っているのですが、なにかありますか。


山田 ロサンゼルスに住んでいた時に、車で20分ぐらいのところにあるマンハッタンビーチというところによく行ったんですよ。

桟橋があって、サーファーのメッカなんですけど、サーファーが無料で休める場所がたくさんあって。


↓マンハッタンビーチの桟橋


――― いいですね。


山田 そういう、無料で快適に海遊びができる環境があると良いですよね。

ビーチバレーのコートがあったり、フランスのマルセイユには海岸沿いに長いベンチがあったりして、ずっとそこに居たくなるような雰囲気なんです。


↓マンハッタンビーチ

↓マルセイユ

――― たしかに、雄三通りの先の海にそういった環境整備がされていたら行きたくなりますね。


山田 海外の事例から、学べることはあるかも知れませんよね。


――― とても良いアイディアだと思います。インタビューは以上です。ありがとうございました。


(おしまい)


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【湘南・茅ヶ崎で暮らす人】JAXAの山田隆弘さん

・第1話 小惑星探査機「はやぶさ」の通信方式を設計。「はやぶさ2」や金星探査機「あかつき」にも採用。

・第2話 JAXAで見えてきた課題。必ず正しく伝わる文章のルールをつくりたい。



▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter

2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。東海岸商店会の公式サイトの運営や、ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。

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