【茅ヶ崎市観光協会の新谷雅之さん】「道の駅」と「湘南スタジアム構想」を成功させたい。
(前回の記事はこちら→そして天狗になる。)
■商店街も観光も「人」が大事
――― この「エキウミ」は雄三通りの商店主さんたちと一緒に作り上げているのですが、商店は今後、観光観点でどうしていけば良いと思いますか。
新谷 私はもともと商工会議所の職員でしたから、商店については思い入れがあります。
大店法(大規模小売店舗法)が変わった頃に、地域の商店からの相談をたくさんいただいたんですね。
要は「大型商業施設が来るから商売が心配だ」っておっしゃるんです。
――― 心配になる気持ちもわかります。
新谷 でも、言ってしまえば大型店なんて商売の経験が浅い人たちが他所からやってくるわけですよ。
だから私は、「地域と強いつながりを保ちながら、何十年も商売をしてきているあなた方が負けるわけがないじゃないですか」と言っていたんです。
「あなたのお店は、あなたがいるからお客さんが来るわけですよね。物じゃなくて人にお客さんがついてるわけだから」って。
↓浜降祭(茅ヶ崎市観光協会Facebookより引用)
――― たしかに、商店街でいつもお客さんがいるお店には、必ず魅力的な人がいますよね。
新谷 それってすごく大事で、お店の名前よりも「〇〇さんのお店」っていう風に呼ばれるようなお店は強いじゃないですか。
やっぱり品数では大型店とかネットに敵わないわけで。
それに先日トヨタとソフトバンクが発表をしてましたけど、移動手段が便利になるほど、いまよりもお客さんが商店街に立ち寄らない時代になっていくかも知れませんよね。
――― そうですね。
新谷 だから、「物」ではなく「人」なんです。
「買いに行きたい」よりも、「会いに行きたい」と思わせた方が強い。
初回の記事でも言いましたが、それは茅ヶ崎の観光でも同じことで、魅力的な「人」がいる街になることが、茅ヶ崎の観光にも良い影響を与えてくれると思っています。
↓8代目スマイル茅ヶ崎(茅ヶ崎市観光協会Facebookより引用)
■江ノ電を茅ヶ崎まで延ばす案
――― 各商店の話はよくわかりました。商店街全体を盛り上げるためのアイディアなどありますか。
新谷 雄三通りの話で言えば、むかし「江ノ電を茅ヶ崎まで延ばす」という話があったんですよ。
江ノ電って江の島が終点ですけど、海沿いに茅ヶ崎まで線路を延ばして、雄三通りを北上してぐーっと駅まで繋がったら面白いですよね。
――― それはすごい話ですね。
新谷 例えばサンフランシスコみたいに、駅から海まで道の真ん中をモノレールが走ったらどうなるかとか、考えるだけで楽しいですよね。
モノレールを利用しながら商店街全体を同じ買い物かごでぐるりと巡って、一か所でいっぺんに決済ができるとか。
――― さすが、アイディアのスケールが違いますね。
新谷 よくこういうアイディアを出すだけで、「バブルの時代じゃあるまいし」と言う人がいるんだけど、じゃあバブルの時代といまとで何が違うのかって思うんですよ。
同じ人間がやってるんだからやれるはずでしょって。
■道の駅と湘南スタジアム構想
――― それでは最後に、新谷さんが今後やりたいことを伺えますか。
新谷 まずは「道の駅」ですね。
湘南を巡るバスツアーのバスガイドさんに話を聞いたことがあるんですけど、まず鎌倉の大仏を見て、藤沢の江の島を見て、そのまま箱根まで行っちゃうらしいんですね。
――― 茅ヶ崎は素通りですか。
新谷 素通りどころか「茅ヶ崎は見るところがないから、みなさん寝ててください」って言うらしいんですよ。
ほら、国道134号も茅ヶ崎は松の木で海が見られないでしょう。
――― 切ない話ですが、真摯に受けとめて対策を打たないといけませんね。
新谷 そう。しかもこれはバスツアーに限った話じゃないと思うんです。
だからそこに道の駅ができれば茅ヶ崎にとどまるチャンスが生まれるし、人と接する機会もできるし、情報発信もできるじゃないですか。
もともと道の駅の話は、私が商工会議所にいる頃に話が持ち上がったんですけど、当時のルールだと道の駅が作れなかったんです。
そのルールが改正されてまた話ができるようになったので、なんとか成功させたいと思っているんですよね。
――― なるほど。
新谷 普通の道の駅じゃ面白くないので、工夫は必要だと思いますけどね。
例えば野菜や魚を売るにしても、「グローサラント」っていうんですけど、買った野菜や魚をその場で調理しておいしく食べられる場を作ったりとかね。
あ、これはあくまでもアイディアの一つですよ。
――― はい。これから固めていくということですよね。
新谷 とにかくまず、道の駅を成功させたい。
「さすが湘南茅ヶ崎の道の駅だね」って言われたいじゃないですか。
↓烏帽子岩(茅ヶ崎市観光協会Facebookより引用)
――― よくわかりました。他にもやりたいことはありますか。
新谷 「湘南スタジアム構想」です。
――― 湘南ベルマーレの新スタジアムの件ですね。
新谷 はい。9月に「湘南スタジアム 茅ヶ崎誘致シンポジウム」を開いたときに私もいましたが、複合型のスタジアムができるというのは大きいですよ。
もちろん湘南ベルマーレの本拠地が茅ヶ崎にあるというだけで素晴らしいことだし、さらに複合型の施設にすることで音楽ライブだってできるようになるじゃないですか。
――― なるほど。
新谷 平常時はサッカーができて、それ以外のときはステージ設営をしてライブができるスタジアム。
茅ヶ崎と音楽は切っても切れない関係性がありますから、こちらも成功させたいですね。
そうやって市外からお金が流れて来て、市の財政が潤って、市民に恩恵がくるように頑張っていきます。
――― とても夢があるお話でした。インタビューは以上です。ありがとうございました。
(おしまい)
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▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter)
2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。東海岸商店会の公式サイトの運営や、ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。
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