【KOKUAの疋田 裕二さん #2】防災を「めんどくさいこと」から「価値のあること」へ。
(前回の記事はこちら→自分に適した防災対策はできていますか?開始1ヶ月で1万人が利用した防災サービス。)
■被災した幼い子どもが、ボロボロのシール帳でずっと遊んでいた
佐藤(インタビュアー):なぜ疋田さんは防災サービスを展開する会社を立ち上げようと思われたのでしょうか。
疋田氏:きっかけは高校卒業のタイミングで起きた東日本大震災です。
テレビで被災地の様子を見て、「自分が何かやらなければいけないのではないか」という使命感が生まれてきました。
佐藤:学生の時に使命感が芽生えたのですね。
疋田氏:その後、社会貢献活動をしている学生団体に入り、復旧支援のボランティアとして宮城県気仙沼市に行きました。
佐藤:実際に行かれてみて、どんな状況でしたか。
疋田氏:その時はもう震災から4か月後の7月で、震災報道がだいぶ落ち着いてきていた時期だったのですが、実際は2、3日前に震災が起きたのかと錯覚するような状況でした。
▼宮城県気仙沼市でのボランティア活動の様子(2011年7月)
疋田氏:私は瓦礫の撤去などをしていたのですが、担当したお宅の幼い子どもが、ボロボロのシール帳でずっと遊んでいました。おもちゃも何もかも流されていたんです。
どうすれば被災者が元通りの生活に戻れるのか。自分の中で、防災の問題に取り組みたいという気持ちが強くなりました。
■副業から始めた防災事業
佐藤: KOKUA設立までのお話を教えてください。
疋田氏:学生の間は被災地支援に関わり続けて、その後は社会問題を解決するNPO法人に就職することも考えましたが、まずは自分自身のスキルを高めるために社会インフラに関わるIT企業に就職しました。
佐藤:社会問題を解決するには、経験や知識も大切ですよね。
疋田氏:はい、おかげでIT系のサービス開発やプロジェクト運営を学ぶことができました。
それと並行して、学生時代のNPO仲間と「LIFEGIFT」を製品化しました。
佐藤:つまり、最初は副業でKOKUAの事業を行っていたのですね。
疋田氏:はい。「LIFEGIFT」を製品化して1年くらい経ったときに、もっと自分の時間を割けばもっと防災を広げることができるという確信が生まれていました。
それで、勤めていた会社を退職し、KOKUAを本業にすることにしました。
▼KOKUAのメンバー
■防災を「めんどくさいこと」から「価値のあること」へ
佐藤:副業を本業にするのは思い切った決断ですね。
疋田氏:当時は悩みました。大企業は安定しているし、実施するプロジェクトも予算が大きい分、社会に対する影響度も大きいですよね。
けどそれよりも、自分たちが思い描いた世界を自分たちの力で実現させていくことの方が、世の中の役に立つんじゃないかと思いました。
佐藤:かっこいいですね!
疋田氏:とはいえ、まだまだ毎日が試行錯誤ですが(笑)
今後はKOKUAのサービスを通じて、少しでも防災準備をしてもらえる仕掛け作りをしたいと思います。
防災を「めんどくさいこと」「お金がかかること」ではなく、防災カタログギフトのLIFEGIFTで実現したような「価値のあること」になる動きをしていきたいです。
佐藤:まず我々は、防災について何から始めればいいですかね?
疋田氏:まずはパーソナル防災サービスのPASOBOを使ってください!(笑)
自分の住んでいる土地でどのような災害リスクがあるのか、自分の状況にはどのような防災対策が必要なのかがわかります。
佐藤:茅ヶ崎は海も山も近くにあるので、それに応じた防災が必要ですね。
疋田氏:豊かな自然環境が身近にあるのは良いことですよね。
その上で、その災害リスクに対して正しく備えて、自然と人が共存していくことが大事だと思っています。
佐藤:疋田さんのお話を伺って、自分も防災をしっかりしていきたいと思いました。今日は素晴らしいお話をありがとうございました。
(おしまい)
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