子育ての日常を「ズコー!」っと楽しくする絵本「もぐちゃんず」/絵本作家すぎもとしょうこ×イラストレーターほそのみき
今回は絵本「もぐちゃんず」の作者のお二人にご登場いただきます。絵本作家のすぎもとしょうこさんと、イラストレーターのほそのみきさんは、二人とも広告会社に勤める二児の母。仕事と子育てをしながら、自分の子どもに読んであげたい絵本を、自分の手で作り上げたお話をぜひ最後までお読みください。→「もぐちゃんず」はAmazonでご購入できます
■もぐちゃんずのあらすじ
小野寺(インタビュアー):絵本「もぐちゃんず」のご出版、おめでとうございます!お二人の初作品ですが、まずはどんなお話か教えてください。
ほその:はい。レストランのお客さんのために、いつも一生懸命なもぐらたち「もぐちゃんず」のお話です。
ほその:ある日、レストランにおいしいものはかせの「ぶたお」さんが来るんですね。もぐちゃんずは張り切って料理をつくります。
ほその:もぐちゃんずがドキドキしながら感想を待っていると、よく見たらぶたおさんは寝てしまっていたんです。
すぎもと:ぶたおさんがぐっすり寝たまま、閉店時間になってしまいます。もぐちゃんずはおうちまで運んであげようとしますが、ぶたおさんが食べすぎて大きくなってしまい、お店から出すことができません。
すぎもと:もぐちゃんずは、みんなで話し合って解決方法を考えます。この後もぶたおさんを何とかおうちに帰すために、あれこれ考えていくもぐちゃんずの話が進んでいきます。
■「ズコー!」で日常が明るくなる
小野寺:すごくかわいいお話ですよね。この5枚のページだけでも、この絵本が欲しくなった方は多いと思います。お二人には小さいお子さんがいますが、もぐちゃんずを読み聞かせましたか。
すぎもと:はい、うちの子は「ズコー!」の場面が特にお気に入りで、絵本を読んでいないときにもよく「ズコー!」って言っていますね(笑)
ほその:うちも「ズコー!」は大好きで、下の子が1歳でまだ字は読めないんですけど、上の子と一緒になって「ズコー!」ってバンザイしています(笑)
小野寺:かわいいエピソード(笑)日常が明るくなる絵本ですね。
すぎもと:子育てをしていると、子どもが食べ物を残したり、なにか壊したり、そんなことがよくあるのですが、そんなとき「残さないで!」と叱るよりも、「残すんかーい、ズコー!」っていう方がハッピーにおさまります(笑)
小野寺:なるほど、「ズコー!」が持つ力はすごいですね。
すぎもと:二人で絵本をつくる上でも「楽しく」は忘れないようにしていて、大人が楽しんでつくったら、子どもたちにも伝わると信じています。読み聞かせを前提にした絵本なので、大人も子どもも楽しめる絵本になったと思います。
■2年がかりで出来上がった絵本
小野寺:こちらの絵本はお二人の初作品とのことですが、どんな経緯で作られたのでしょうか。
すぎもと:ほそのさんとは上の子同士が同級生で、ママ友だったんですね。私自身、初めての育児に悩むこともあったんですけど、子どもに絵本を読んでいるときはその世界に一緒に入り込める感覚があって、それがすごく良かったんです。それで自分で絵本をつくりたいと思うようになって、絵が上手なほそのさんの顔が浮かびました。
ほその:ある日、すぎもとさんから「絵本つくりたい」っていうLINEが突然来たんです(笑)その頃はお互い仕事に復帰した頃で、連絡自体が久々だったので余計にびっくりしたんですけど、5分後には「やるよー」って返事をしていました。
小野寺:二人ともすごいですね(笑) それにしても、もぐちゃんずは初作品とは思えない完成度の高さなのですが、どうしてここまで素敵な仕上がりになったのでしょうか。
すぎもと:実はこの「もぐちゃんず」ができるまでに、他に4つ作品をつくってきたんです。最初の絵本「ぶーたんのしりとり」は、コンテストに応募して優秀賞を受賞しました。
ほその:その受賞をきっかけに出版社の方と知り合って、出版に向けた話し合いが始まりました。そこから2年の紆余曲折を経て、「もぐちゃんず」に至りました。なのでこの初作品ができるまでに、200ページ以上はつくっていたんです。
すぎもと:その2年の間に上の子はすっかり成長して、お互い二人目の子どもも生まれました。仕事も育休からフルタイムになったりで、目まぐるしかったですね。
ほその:もぐちゃんずの絵を描きながら、途中の段階を自分の子どもに見せたりして、その反応も参考にしながら絵本が出来上がっていきました。
すぎもと:ようやくもぐちゃんずの見本が届いた日が、たまたま私の子どもの誕生日だったんです。子どももすごく喜んでくれて、特別な誕生日プレゼントになりました。
■子どものためにとことんこだわって作った絵本
小野寺:最後に、この絵本で伝えたいことはありますか。
すぎもと:最初から決めていたテーマがあって、「ピンチをアイディアで乗り越える」ことです。もぐちゃんずって集団なんですけど、それは保育園や幼稚園の集団生活をイメージしているんですね。もぐちゃんずは、ぶたおさんを家に運ぶために一生懸命アイディアを考えるのですが、自分の子どもにもそんな力が備わったら良いなと思ってストーリーをつくりました。
ほその:自分の子どもに読んであげたい絵本を、たくさんこだわってつくりました。この絵本が、お子さんとの楽しいかかわりのきっかけの一つになってくれたらいいなと思います。ぜひ手に取っていただけたらうれしいです。
小野寺:もぐちゃんずの発売日は、2023年10月24日(火)ですね。ぜひ全国の皆さんに読んでいただきたい絵本だと思いました。本日はありがとうございました。
(おしまい)
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