【川廷昌弘さん:CEPAジャパン編】社会的接点は多いほうが良い。南方熊楠シンポジウム&写真展に向けて。


(前回の記事はこちら→写真家編②:写真家として死にたい。三重県の林業家「速水林業」との出会い。


――― 今回が川廷さんインタビューの最終回ですので、今後の展望について伺えますか。


川廷 そうですね、まず人生100年時代なんてことも言われていますが、自分の軸を大切に今後も枠組みを越えながら様々なことをやっていけたらとは思っています。

やはり社会的接点が多いほど視野も広がりますし、それぞれの領域に返せることも増えるじゃないですか。


――― はい。


川廷 これまでの話を読んでいただければお気づきいただけるかと思いますが、自分の言葉で「行って来い」ができていると思うんですよね。

あの名刺で知り得たことが、この名刺で活かされるというように、違うことをしているようで、すべてが繋がっているんですよね。

それぞれの活動は、知識や人脈という部分での繋がり以外にも、スキル面でもお互いに活かせてくる部分は大いにあります。


――― スキル面もですか。 


川廷 例えば写真で言うところの「俯瞰」と「フォーカス」という視点・スキルは、仕事における、会議やプロジェクトを風景として俯瞰してみること、そして発言や要点にフォーカスして文脈を構築するということに通じます。


――― 写真で培われたスキルが、仕事にも活きるんですね。


川廷 あと直近の展望で言えば、「南方熊楠(みなかたくまぐす)」に関わる活動が活発化しそうです。


↓田辺市に残る南方熊楠邸 


――― まずはその、南方熊楠について少し詳しく教えていただけますか。


川廷 南方熊楠を一言で語るのは難しいのですが、日本におけるエコロジストの先駆けと言われています。

世界遺産になっている紀伊半島にいまも多くの巨木が残っているのは、彼が「神社合祀反対運動」ということをしたおかげだと言う人もいて、いまから100年も前の日本でエコロジー活動をしていた智の人ですね。


↓熊野古道の中辺路にある継桜王子の一方杉 


――― その南方熊楠を題材に、川廷さんは何をされるのでしょうか。


川廷 私は「一般社団法人CEPAジャパン」という、生物多様性という概念、つまり自然と共生する知恵は日本にあるということを伝えたり学ぶ機会を提供したりする団体の代表をしているのですが、その活動の中で南方熊楠に注目しているんですね。

彼のゆかりの地である紀南で写真を撮って多くの方と一緒に冊子にして、千代田区立日比谷図書文化館の知人に南方熊楠にまつわる展示とシンポジウムを提案したところ、ぜひやりましょうという話になって。


――― それだけ特別な方なんですね。


川廷 図書館の司書さんには特にファンが多いと聞いていましたが、南方熊楠という名前を出すだけで目を輝かせて「ファンなんです!」っていう人が本当に多いんです(笑)

全国に目を向けるとギャラリースペースを持つ図書館もあるので、そういうところではシンポジウムに加えて写真展も検討していて、これから全国各地の図書館の皆さんと写真家としてコラボレーションができそうなんです。


↓熊楠邸の近くにある日吉神社の例祭 


――― 写真家としての活動が、またここでも活きたのですね。


川廷 はい。志で立ち上げたCEPAジャパンの活動が「企業人の川廷」のボランティアではなく、「写真家の川廷」としてできるようになってきたということが本当に嬉しくて。

やっぱり自分の中では写真家として頑張りたいという気持ちが強いので、そこに軸を置いた活動をより高めつつ、この「雄三通りの木の家」から創造を広げて行きたいと思っています。 


 

――― 全5話分のインタビューをこれで終えます。たくさん興味深いお話をありがとうございました。


(おしまい) 


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▼インタビュー・編集 小野寺将人(Facebook / Twitter

2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。

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