【コワーキングスペース チガラボの清水謙さん】人生100年時代の生き方・働き方の選択肢を広げて行きたい
(前回の記事はこちら→企業や地域の課題解決をパラレルワークで循環させる)
――― 清水さんの今後の展望について伺えますか。
清水 現時点で動き始めているものが三つあります。
①人生100年時代の、現役世代からの生き方のリ・デザイン「湘南ワンハンドレッド・プロジェクト」
②湘南のエリア特性を活かした、働きかた・くらしかたをシフトする実験的コンセプト「WorkationSHONAN」(ワーケーション湘南)
③農と食と遊びのテーマパーク「EdiblePark茅ヶ崎」(エディブルパーク茅ヶ崎)
――― まず①から教えて欲しいのですが、これは現役世代をターゲットにしているのでしょうか。
清水 そうです。人生100年時代の生き方について、忙しい現役世代がいま自分がどっぷり浸かっている環境以外の可能性や選択肢を知ることで、新たな働きかた・くらしかたを描くきっかけを生みだしたいと思っています。
具体的には、この地域でなんか楽しげなことをしているシニア世代の方を見つけて、取材に行ってみることから始めてみています。
↓湘南ワンハンドレッド・プロジェクトのマーク
――― 現役世代とシニア世代が交わるのですね。
清水 チガラボのテーマの一つでもある「越境」を世代間で起こして、何か生まれないかと期待しています。
シニア世代の方については、別に特別なことをしている必要はなくて、例えばある定食屋に昼過ぎに行くと、その日出会ったおばあちゃん全員に「運命の人かと思った」とか言って笑っているおじいちゃんがいるんですけど、こういう日常って素晴らしいじゃないですか(笑)
――― 間違いないです(笑)
清水 チガラボの中で茅ヶ崎の地域性を考えたときに、「とことん最後までその人らしく生きるっていうのが、この地域らしさでは」という議論があったんですね。
全ての人にストーリーがあって、何が正しくて何が間違っているというような基準を作る必要なんてなくて、興味ある者同士が聞きあって、面白いね、気が合うね、こうなりたいな、っていう感覚がどれだけ増えるかっていうことかなと。
このプロジェクトは2018年4月から神奈川県との協働事業に採択されました。3つのサブプロジェクトがありますが、チガラボメンバーの山口順平さん(茅ヶ崎100Club)、中村容さん(まちのキャリアセンター)といった人たちがすでに各リーダーとして推進してくださっています。
――― 次に、②のWorkationSHONANについて教えていただけますか。
清水 Workationというのは、work + vacation の造語なんですけど、リゾートに仕事を持ち込むような無粋な意味合いではなく、要は仕事と遊びを一緒にしちゃおうというもので、まずは実験の場として平屋の渋いゲストハウスの運営から開始しています。
↓WorkationSHONANの考え方
――― 普通のゲストハウスとの違いはどんなところにありますか。
清水 実験的にいろいろとやっていきたいと考えています。
例えば都心に住んでいる方で、この地域に興味を持っている人が、毎月、金土日で滞在して、月曜はここから出勤するみたいなこともやれたら良いかなとか。
あとは「湘南ワーキングホリデー」と称して、長期滞在の人がこのゲストハウスに滞在しながら、チガラボでイベントをやる側になって、その報酬を宿泊費の足しにするとかも良いですよね。
このゲストハウス自体を滞在型のチガラボとして機能させることもできると思うので、そうやっていろいろ実験していきたいと思っています。
――― それでは最後に③のEdiblePark茅ヶ崎ですが、こちらは現場のトニーさん(長谷亨さん)にインタビューをしたことがあるので、詳しくはそちらで言及できればと思っていますが、清水さんの関わり方について教えていただけますか。
清水 もともとEdiblePark茅ヶ崎は、2016年12月に、「エディブル・シティ~都市を耕す~」という映画の上映会をやったときに、アメリカのバークレーからいらしたゲストの方とディスカッションしたなかで発想を得たものです。
そこで、以前からNPO法人湘南スタイルが運営していたコミュニティ農園「ふれあい畑塾」の次について考えたときに、通常の貸し農園ではできないような、より自由な形で農と食を楽しむ場所をやってみることになりました。
「Edible(=食べられる)」という言葉もこの映画からお借りしました。
↓EdiblePark茅ヶ崎のイメージ図
清水 そこから湘南スタイルの代表の藁品理事長と私とで企画や事業計画を策定しつつ、炭素循環農法で就農されていたトニーさんに現場をおまかせする形に落ち着きました。
EdibelPark茅ヶ崎についても、私の中ではチガラボの畑版という解釈で進めているので、広く色々な人を巻き込んで実験的な試みを展開していきたいと思っています。
――― 3つの展望について、よくわかりました。それでは最後に、この「エキウミ」は雄三通りに関わる人を応援するサイトなのですが、この雄三通りが面白くなるアイディアをいただけますか。
清水 先日、雄三通りにある松尾建設の青木さんとお話して、隔月で開かれている「ストーリーマルシェ」についてディスカッションしたんですね。
そこでイメージしていたのが、大磯市のように大規模のマルシェではなく、茅ヶ崎は「海辺の朝市」や「ストーリーマルシェ」のように小規模で手づくり感あるマルシェがポコポコ生まれる感じの方が合っているんだろうなと。
休日に自転車や徒歩で茅ヶ崎をぐるっとまわってみると、それぞれ個性を持ったマルシェがそこかしこで開催されていて、面白い物が買えたり、普段は交わらないような人たちに会えたりして。
――― たしかにその方が茅ヶ崎らしい感じがします。
清水 それぞれの想いやノリで作られたマルシェが出たり消えたりしている感じが茅ヶ崎らしくて、実際いくつあるのか誰も知らない、みたいな。
「ウォーリーを探せ」じゃないですけど、誰も見つけられないようなマルシェが裏路地や建物の屋上で開かれていて、「よくここを見つけましたね ふふふ」みたいな(笑)
雄三通りは南口のメイン通りですから、そういうマルシェ散策の起点になる力を持っていると思うので、そういうことを実験的に、先導してやっていくと面白いんじゃないでしょうか。
――― とても面白いお話でした。インタビューは以上です。ありがとうございました。
(おしまい)
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▼インタビュー・編集 小野寺将人(Facebook / Twitter)
2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。
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