【茅ヶ崎市役所 景観みどり課】「街歩き」は街の景観を守るひとつのアプローチ – 髙山さん、前田さん、城田さん


(前回の記事はこちら→「その街らしさ」とは何か?


――― 前回の最後に、雄三通りの一体感や賑わいの向上、そして安全安心の啓蒙という意味を含めて、壁画を描いたり、理想像の見える化をしたりする計画についてお話をしました。そういったことを進めたいと思ったときに、景観みどり課 景観担当の皆さまはどのようなサポートをしてくださるのでしょうか。


髙山 景観を良くするための団体は、「景観まちづくり市民団体」としての登録申請が受理されますと、その活動の支援を受けることができます。

具体的には、景観まちづくりアドバイザー」という様々な分野の専門家から、年に2回までにはなりますが助言をもらえるというものです。


――― そのアドバイザーには、どのような方がいらっしゃるのでしょうか。 


髙山 今回のお話であれば、その意図から考えると都市デザインの専門家の方や、マーケティング・ブランディングの専門家、もしくは「伝わるサイン」の専門家もいらっしゃったりするので、そういった方々が選択肢の一つになってくるかも知れません。


――― 茅ヶ崎市景観計画のなかにも、茅ヶ崎駅南口周辺地区には「交通課題がある」と記載されていますが、それを景観のアプローチから少しでも解決するということはありますよね。


髙山 あると思います。

例えばラチエン通りにある団体さんとは、街の景観を良くする一環として、安全対策を含めた取り組みのお手伝いをしたりしています。


前田 雄三通りに限らず南北に伸びる大通りはどこも危険な部分はあると思うのですが、雄三通りは特に人通りが多いので余計にその印象は強くなってしまっているかも知れません。


↓前田さん 


城田 いま人通りという話がありましたが、「街歩き」というのは景観啓発のアプローチとして有効だとされているのです。

歩くことでよりその街の雰囲気を感じられるため、街歩きが活発になると、街は素敵になっていくということに繋がります。


髙山 茅ヶ崎市に住んでいる方、訪れた方が気持ち良くいられるために作られた「茅ヶ崎市公共サインガイドライン」では、「歩きたい、出掛けたくなる」という目標を掲げています。


――― なるほど。雄三通りも、もっと歩きたくなる道になったら良いと思いました。これまでは仕事の内容について伺ってきました。ここからは読んでいる市民の方々との距離を縮める意味で、少しだけ皆さんの個人的なことも質問させてください。


城田 来た…! 


↓城田さん 


前田 来ましたね…前回の産業振興課の記事を読んで覚悟はしていましたが(笑)


――― すみません(笑)これまでのご経歴と、仕事のやりがいについて伺えますか。 


前田 私は住宅の現場監督をしていて、中途で茅ヶ崎市役所に入庁しました。

30歳まで愛知県で働いていたのですが、生まれも育ちも茅ヶ崎だったのでいつか戻りたいと思っていました。


――― 30歳というのは自分のキャリアを考える一つの時期ですよね。最初から景観担当だったのでしょうか。 


前田 最初は建築指導課で、建築基準法に照らし合わせて許認可をする仕事をしていました。

今年の4月から景観担当になったのですが、それまでは法文に判断基準が書いてあるのでわかりやすかった分、今は概念的なことを考えることが増えたので、なかなか慣れませんね(笑)


――― まだ半年ちょっとなのですね! 貫禄があるのでそんな風には見えませんでした。


前田 実は、生まれたてのピヨピヨでして(笑)


髙山 え、ピヨピヨ・・・?(笑)


↓左)髙山さん 右)前田さん 


――― ピヨピヨという言葉がここまで似合わない方も珍しいですね(笑)城田さんはいかがでしょうか。


城田 私は8年前に新卒で入庁しまして、最初は議会事務局で市議会議員の方々とお話をする機会が多い仕事をしていました。

4年前から景観担当に配属となり、私は髙山や前田のように建築職ではなく、事務職として働いています。

先ほど話のあった「景観まちづくりアドバイザー」の話もそうですが、専門家の皆さまを始め様々な方々から知識を吸収できるのがすごく楽しい仕事だと思います。


――― それは確かに学び甲斐がありますね。髙山さんはいかがでしょうか。


髙山 私は前田と同じく中途で入庁しまして、33歳まではゼネコンで勤めていました。

私は北海道出身なのですが、湘南の全てが茅ヶ崎にあるという変なイメージがあって、その憧れに引っぱられて前職の頃から茅ヶ崎に住んでいました(笑)

茅ヶ崎市役所の入庁時には、教育施設課という小中学校の施設を改修するような仕事をしていましたが、希望して景観みどり課に配属させていただきました。


――― 望んで配属された課だったのですね。ちなみに、そんな望んだ課でもご苦労は色々とあるかと思いますが、どんな大変なことがありますか。


髙山 これを苦労と言って良いのかわかりませんが、例えば看板の設置や外観の話をする際に、個人の財産権が絡んでくる話でもありますので、概念が漠然としている景観の話とかみ合わないことはどうしてもありますね。


――― 「うちの隣がやってるじゃないか」と。 


髙山 まさに、それは決まり文句ですね(笑)

ただ、景観というのは漠然としたものを話し合うことが多い一方で、形になった時はわかりやすく表れます。

例えば雄三通りで言えば、鉄砲道との交差地点に掲示板を立てて、歩きたくなるマップを掲示したのですが、普段歩いているときに見かけると嬉しくなります。


↓髙山さん 

――― たしかに、成果物としてはわかりやすいですね。「茅ヶ崎らしさ」を守る大変さと、面白さが良くわかりました。


髙山 茅ヶ崎は「”人を見ている人”が多いことが特徴」という話があります。

例えば海にいても、「海」を見ているというよりは「サーフィンをしている人」や「散歩をしている人」を見ているシーンが多いという街なのですね。

そいった面も含めて豊かな文化のあるこの茅ヶ崎で、「茅ヶ崎らしい」シーンをもっと作って行きたいと思っています。


――― 今回のお話を読んで、茅ヶ崎という街の見方が変わる市民も多いと思います。インタビューは以上です。ありがとうございました。


(おしまい) 


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【私、茅ヶ崎市役所ではたらいています:景観みどり課 景観担当の髙山さん、前田さん、城田さん】 ・第1話 「その街らしさ」とは何か?

・第2話 「街歩き」は街の景観を守るひとつのアプローチ 




▼茅ヶ崎市役所 都市部 景観みどり課 景観担当 窓口:市役所本庁舎3階/電話:0467-82-1111/FAX:0467-57-8377/お問合せフォーム 




▼インタビュー・編集 小野寺将人(Facebook / Twitter) 

2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。

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