【茅ヶ崎市役所 景観みどり課】「その街らしさ」とは何か? – 髙山さん、前田さん、城田さん
――― 本日はお時間をいただき、ありがとうございます。私のような一般市民だと接することの少ない景観みどり課 景観担当の皆さまですが、端的に言うとどのようなことをされているのでしょうか。
髙山 一般的にわかりやすい例で言えば、日本のどこかに旅行に行ったとき、コンビニの看板が落ち着いた色になっている店舗を見ることがありますよね。
あれは要するにその街の景観を守るための取り組みなのですが、そういったことを茅ヶ崎市で行っているのが私たちです。
――― すごくわかりやすいです。たしかに軽井沢や日光だとコンビニは落ち着いた色になっていますね。
城田 茅ヶ崎市の場合、「茅ヶ崎市景観計画」という取り決めがありまして、エリアごとに望ましい景観が決められています。
例えば大きな建物を建てる時は、「こういう色は周囲と調和しないので控えてください」とお伝えするようなことです。
↓茅ヶ崎市景観計画における、茅ヶ崎市のエリア分け
――― では仮に私が海の近くで、それはそれは真っ赤な大型施設を作ろうとしたら、NGになるのでしょうか。
髙山 アクセントとして赤を使うことはあっても、「全色赤にしよう」というのはさすがにNGになります(笑)
前田 わざと大げさに言っていただいたかと思いますが、そういったご要望はそこまで多くないのです。
と言うのも、そもそも大型の施設を扱うような事業者の方は「景観を守る」という考え方をご理解されていますし、茅ヶ崎で何かしようという方が、「茅ヶ崎らしさ」をまったく無視するということはほとんどありません。
――― その「茅ヶ崎らしさ」というのは議論が尽きなそうなテーマですね。
髙山 はい、まさにそうです。
先ほど城田が申した茅ヶ崎市景観計画については現在改定をしている最中なのですが、その「茅ヶ崎らしさ」については度々議論になります。
何か茅ヶ崎にあるシンボル的な「物体」だけがそれを表すというよりは、「人」がかもし出すもの、ライフスタイルそのものが「茅ヶ崎らしさ」を表すのに適当なのかなと考えています。
――― それは例えば、「ウェットスーツを着て日焼けをした人が自転車でサーフボードを運んでいる姿や、その人の暮らし方が茅ヶ崎らしい」とか、そういうことでしょうか。
髙山 はい、それも一つの例だと思います。
茅ヶ崎には海も山もあり、市内で買い物が済ませられたり、美味しい飲食店が多かったりと、文化的に豊かな街だと思います。
その茅ヶ崎での暮らしをひっくるめた、おしゃれで快適な過ごし方が「茅ヶ崎らしさ」にあたるのではないでしょうか。
↓髙山さん
――― 先ほど城田さんから、「茅ヶ崎市景観計画ではエリアごとに取り決めがある」というお話がありましたが、この「エキウミ」が盛り上げようとしている雄三通りについてはどのような議論がなされているのでしょうか。
髙山 雄三通りの駅寄りの話で言えば、実はもともと「茅ヶ崎駅南口エリア」として一括りで検討が進められていたのですが、いまは「通りごとに特色があるから、個別に考えていこう」という方向性に変わってきています。
雄三通りで言えば、「海に通じる玄関口」という切り口が一つの考え方になってくると思います。
――― 茅ヶ崎駅南口の正面から海まで、ほぼ直線にのびているのが雄三通りの一つの特徴なので、玄関口というのはしっくりきますね。
髙山 はい。その玄関口という話と関連して、「界隈性」という言葉も一つのキーワードです。
つまり、地元の方も、別の街から訪れてくださった方も、ユニバーサルデザインという観点も含め、どんな方でも分け隔てなくコミュニティの一員になれる場にすることが望ましいという考え方です。
――― それは素晴らしいですね。たしかに雄三通りは玄関口ですので、その界隈性が他のエリアよりも強くあるべきだと思います。
城田 あとは、茅ヶ崎市景観計画の中には看板、広告物などの取り決めもあり、「この地域ならば看板はこのサイズ以下にしてくださいね」という話もあったりします。
↓左)前田さん 右)城田さん
――― なるほど。実は、まだ検討段階なのですが、YSPでは雄三通りの一体感や賑わい向上、そして安全安心の啓蒙という意味を含めて、いくつか壁画を描くことや、雄三通りの理想像の見える化をしたいと考えています。そういう相談も皆さんにして良い話でしょうか。
前田 そういう話であれば、私たちがお手伝いできることはあると思います。
――― なるほど、では後半はそのあたりについて詳しく伺えればと思います。
(次回につづく→「街歩き」は街の景観を守るひとつのアプローチ)
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▼茅ヶ崎市役所 都市部 景観みどり課 景観担当
窓口:市役所本庁舎3階/電話:0467-82-1111/FAX:0467-57-8377/お問合せフォーム
▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter)
2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。
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