【鶴嶺高校の佐藤敎道 校長】グローバル教育や地域との連携に力を注ぐマンモス校

1975年に創立した鶴嶺高校は、生徒数1,000人を優に越えるマンモス校です。県から「グローバル教育研究推進校」に指定されるなど、国際教育に力を入れている鶴嶺高校で校長をされている佐藤敎道さんにお話を伺いました。


■グローバル教育とは


――― 本日はお時間をいただきありがとうございます。校長先生とお話をするのは緊張します(笑)


佐藤 いえいえ、なんでも聞いてください(笑)


――― まずは鶴嶺高校の特色について伺います。国際教育に熱心な印象がありますが、その辺りいかがでしょうか。


佐藤 そうですね、鶴嶺は45年前の設立当初から国際教育には力を入れてきました。

いま現在は県から「グローバル教育研究推進校」の指定を受けています。


――― そのグローバル教育というのは、単に「英語の成績を重点的に伸ばす」ことではありませんよね。


佐藤 もちろん英語教育にも力は入れていますが、「グローバル」というのは地球規模の話ですから、そもそも英語だけの話ではないわけですよね。

ヨーロッパのEUについて話をするとわかりやすいので、その歴史の話を少しさせてください。


▼鶴嶺高校の校舎(引用元:鶴嶺高校公式ページ


■グローバル教育の根本は「多様性への寛容性」


――― EUとグローバル教育がつながっているんですね。


佐藤 ヨーロッパの国々が連合を組むことは昔からの悲願だったなか、一つにまとまるためにヨーロッパ諸言語についての共通した評価基準を設けようということで「CEFR(セファール)」ができました。


――― 日本だと英語の評価テストとしては「TOEIC(トーイック)」や「TOEFL(トーフル)」が有名ですね。


佐藤 そうですね。日本でも様々な能力試験の成績を統一した基準で扱うためにCEFRを使おうということになってきています。

ヨーロッパのCEFRは、もともと多様な言語の運用能力を評価するための共通の「ものさし」で、これによって雇用やコミュニケーションがスムーズになりました。

つまりヨーロッパのグローバル化を目指す上で、CEFRは文化交流の礎になったともいえるわけです。


――― ヨーロッパ諸国が国境や文化を越えてまとまるようにすることが、CEFRの役割としてあると。


佐藤 はい。それを考えると、思想としてはリベラル寄りですよね。

じゃあ話を戻して、日本におけるグローバル化ってなんでしょうと。


――― リベラルというキーワードから察するに「多様性」の話でしょうか。


佐藤 そう、まさにそこなんです。

私はよく「多様性への寛容性」という言葉で説明をしていますが、違った人間同士が受け入れ合うことが、グローバル教育の根本なんです。


▼ドイツ交流校訪問(引用元:鶴嶺高校公式ページ


■学校の中で「内なる国際化」を目指す


――― 多様性を受け入れることがグローバル教育の根本としたとき、鶴嶺高校ではどのような取り組みをされていますか。


佐藤 鶴嶺高校には「海外帰国生徒特別募集」という、日本国籍を持ちながらもご家庭の事情で日本語の運用能力に配慮を必要とする生徒のための枠があるんです。


――― 保護者の転勤などで日本で暮らさなかった子どもなどですね。


佐藤 それもありますし、各国の事情でその国で生まれ育ってもその国の国籍が得られないなど、様々です。

鶴嶺高校にはそういった生徒も一定数いますから、他の生徒たちは外国に行かずとも国際交流が実現しているんです。

それを私は「内なる国際化」と呼んでいますが、多様性を育むうえで非常に良い環境にあると思っています。


――― たしかに、多様性を肌で感じることができますね。


佐藤 そうやって、生徒たちには多様性への寛容性を持って欲しいんです。

これは神奈川県が力を入れている「インクルーシブ教育」や、あるいは「地域との交流」についても根底は同じだと思っていまして、自分と違う人を受け入れることを伝えるようにしています。


▼校内での国際交流(引用元:鶴嶺高校公式ページ


■地域連携で英語や防災の課題に取り組む


――― ところで鶴嶺高校は地域との連携においてどのような取り組みをされていますか。


佐藤 たくさんあるんですけども、まず鶴嶺高校の隣には円蔵中学校があって、その隣には円蔵小学校がありますよね。

小中高がこんなに近くにあるので、普段から様々な連携をしています。


――― 学校同士でどんな連携をされているのですか。


佐藤 文部科学省から「生徒の発信力強化のための英語指導力向上」としていう指定を受けて、小中高をひとくくりに考えた英語の発信力強化を目指しています。

学校が違うからと言ってそれぞれが勝手に考えるのではなく、一続きで考える取り組みです。


――― それはすごく大事な視点ですね。英語教育以外ではありますか。


佐藤 防災も非常に重要なテーマです。

台風19号で茅ヶ崎市も避難者が多く出ましたが、一時避難所の小中では収まらない人を受け入れました。

これも普段から地域の連携をしているからできたことだと思います。


――― それは今後より重要になってきますね。


佐藤 他にも「茅ヶ崎市国際交流協会」や「推進協(円蔵小学校区青少年育成推進協議会)」、JRCとして海岸清掃や特別養護老人ホーム・障害福祉施設へのボランティア訪問など、地域との連携はあげればきりがありません。


――― どうしてそこまで地域との連携に力を入れているのでしょうか。


佐藤 鶴嶺高校って地元率が非常に高いんですよ。

茅ヶ崎、藤沢、平塚、寒川から通っている生徒が全体の8割弱という驚くべき地元率で。

地元指向の子たちが多いからこそ、私たちはより地元を大事にしないといけないと思っているんです。


――― 鶴嶺高校の魅力がよく分かりました。後編は、佐藤校長ご自身のお話を中心に伺っていきます。


(次回につづく → これから社会人になる生徒たちに伝えたいメッセージ





▼神奈川県立鶴嶺高等学校

住所:神奈川県茅ヶ崎市円蔵1-16-1/TEL:0467-52-6601/FAX:0467-54-2124




▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter

2015年に茅ヶ崎市に移住し、2017年に「エキウミ」を立ち上げる。東海岸商店会の公式サイトの運営や、m'no【エムノ】のWEBマーケ、記事の寄稿も行う(SUUMOタウンGyoppy!ARUHIマガジンほか)。


▼カバーデザイン 鈴木亜美(Webサイト

都内企業でインハウスデザイナーとして働いていたが震災をきっかけに「海のある街で犬と暮らしながらデザインの仕事をしていきたい」と思い立ち、2012年に湘南に移住。現在は湘南を拠点にフリーランスのデザイナーとして多くのWebサイトやプロモーションツールを制作している。「茅ヶ崎のことを知りたい&地域貢献したい」という思いから「エキウミ」に参加。

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