【EdiblePark茅ヶ崎の長谷享さん】人生を変えた「半農半X」と「重ね煮」
(前回の記事はこちら→たんじゅん農法(炭素循環農法)を用いた「食と農のテーマパーク」を作る)
――― トニーさんはもともと何をされていた方なのでしょうか。
長谷 高校のときにNHKでシリコンバレーのことを知って憧れを持ち、最初は半導体関係のメーカー兼商社で13年間勤めました。
――― いまやられている農業とはまったく違う世界ですね。
長谷 そうですね(笑)
学生の頃はシリコンバレーを中心に世界を股にかけて仕事をするという勝手なイメージを持っていました。
憧れだけでこの世界に入ったようなところがあって、気づいたら曲がりなりにも叶っていたんですね。颯爽なイメージとは程遠いですが(笑)
そうしたらなんだか気が抜けてしまって、この先数十年今の仕事が続けられるのかなと。
そんな矢先に経験した東日本大震災。そこで価値がぐるっと変わってしまって。
↓会社員時代の長谷さん
――― 転機ですね。
長谷 はい、なにか変えなければと思ったのですが、仕事が忙しくて寝る時間もあまりとれず、考える余裕がなかったので、まずは会社を辞めました。
そこから1年間ぐらいは仕事をせずに、東北のボランティアをしたりとか、アメリカのインディアンの聖地にキャンピングカーを借りて行ってみたりとか、そういうことを通じで色々な人に出会いました。
↓ボランティア先の景色
長谷 その1年の体験を通じて、今までは完全に無関心で真逆とも言える「農業」や「食」ということの大切さを身に沁みて実感し、農業をしながらワクワクすることを生業とする「半農半X」を人生のテーマと決めて、まずは小さい50㎡程度の農園と「Juice Cafe and Bar Tony’s」というカフェを始めました。
――― その考える時間で人生のテーマを見つけられたのですね。
長谷 実際はその期間にすべて見えていたわけではなく、色々な出会いの中でだんだんいまの考え方が構築されてきた感じです。
自分に自信なんてありませんでしたし、私にとってはすべてがチャレンジだったんですけれども、助けてくださった方々のおかげでなんとかやってこられました。
――― 例えばどんな方がいらっしゃいましたか。
長谷 まず「半農半X」というライフスタイルについてですが、高坂勝さんという「たまにはTSUKIでも眺めましょうか」というBARを池袋で営まれている方から影響を受けました。
農業を行いながら、様々な楽しい遊びやイベントなどの仕掛けをしながら自分がそれを一番楽しんでいて、関わる人の人生を大きく変えてしまうくらいの魅力的でかっこいい人です。
高坂さんの考えに触れることで、地に足をつけながらも人生を最高に楽しむという生き方を選びたいと思いました。
↓高坂勝さんとの2ショット
――― まず今のライフスタイルを決定付けた方の話ですね。
長谷 はい。あとは「重ね煮」という調理法に凝縮されている自然の摂理というか、考え方があって、それを教えてくれた茅ヶ崎在住の佐藤研一さんと、その師匠の船越康弘さんからもたくさん影響を受けました。
↓船越康弘さんとの2ショット
――― 「重ね煮」というのは、要は「重ねて煮る」ということで合っていますか。
長谷 はい、まったくその通りです(笑)
その根本にある考え方が世の中は二極で成り立っていて、その陰と陽のバランスを整えることが大切であるということです。
食材を重ねる際に陰陽の考え方に基づいた順番があって、それをやるのとやらないのとでは味も香りもそして食べた時の力のモリモリ感が全然違ってくるんですよね(笑)
↓「重ね煮」教室の様子
――― それは面白いですね。
長谷 どの方もとても人気でお忙しい方々なのですが、茅ヶ崎にお越しいただいてトークイベントなどを開かせていただき、その出来事も私の人生を変える一助となりました。
(次回につづく→茅ヶ崎市の食料自給率を上げたい )
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【Think Chigasaki:EdiblePark茅ヶ崎の長谷享さん】
・第1話 たんじゅん農法(炭素循環農法)を用いた「食と農のテーマパーク」を作る
・第2話 人生を変えた「半農半X」と「重ね煮」
・第3話 茅ヶ崎市の食料自給率を上げたい
▼インタビュー・編集 小野寺将人(Facebook / Twitter)
2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。
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