【7 SEAS PROJECTの篠原智昭さん】治療法のない難病「ミトコンドリア病」に立ち向かう茅ヶ崎の家族の物語


茅ヶ崎で暮らす人」の9人目は、まだ治療法がない難病「ミトコンドリア病」の娘をもつ父であり、その治療法を創る活動「7 SEAS PROJECT」の代表をされている篠原智昭さんにご登場いただきます。娘の七海(ななみ)さんは茅ヶ崎生まれ、茅ヶ崎育ちで、現在茅ヶ崎養護学校と茅ヶ崎小学校の一年生です。




――― 本日はよろしくお願いします。


篠原 こちらこそ、よろしくお願いします。

地域の皆さんに、娘の七海のことを知っていただける機会なので非常に感謝しています。


――― それではまず、七海ちゃんの病気について伺えますか。


篠原 はい。病名は「ミトコンドリア病 リー脳症」です。

ちなみに、「ミトコンドリア」とは何かご存知でしょうか?


――― 聞いたことはありますが、何のためにあるのかまでは。


篠原 そうですよね。ミトコンドリアは体中の細胞の中にあるのですが、簡単に言うと発電所のような役割を持っています。


――― 発電所ですか。


篠原 発電所は燃料をエネルギーに変えますが、それを体内で行っているのがミトコンドリアだと思ってください。

このミトコンドリアの働きが弱ってしまっているのがミトコンドリア病で、七海はその中でも脳細胞が壊れていく「リー脳症」というタイプです。


7 SEAS PROJECTのイメージムービーより抜粋


――― 脳細胞が壊されてしまう。


篠原 七海が生後5ヶ月頃になっても首が座らなかったので、病院に行ったところ、そこでミトコンドリア病であることがわかりました。

そして同時に、この病気は1歳になるまで命が続かないことが多く、治療法が存在していないということも知りました。


――― では、余命が半年もないかも知れないということですね。


篠原 はい。その日は夫婦で泣きに泣いて、声をあげて泣いて、なにも考えられませんでした。

次の日になり、私たちが思ったのは「お医者さんが無理と言うならば、もう救えるのは親の自分たちしかいない。自分たちが諦めたら、この子は終わりだ」ということでした。


――― 篠原さんは医学的な知識があったのでしょうか。


篠原 当時私は公立小学校で働いていて、医学的な知識も経験もまったくありませんでした。

そんな中でミトコンドリア病について必死に調べたところ、アメリカのとある製薬会社が、新たな治療薬の治験を始めたという情報を運良く見つけました。


――― はい。


篠原 私はもう失うものもないというか、怖いものはありませんから、つたない英語で社長さん宛に「どうかその薬を使わせてほしい」とメールをしました。

するとすぐに「お会いしましょう」というお返事をいただけました。


――― すごい!


篠原 ただ、その薬はまだアメリカでも非認可の段階ですから、日本で患者に投与することなどできるのか、という話になりますよね。


――― なるほど、ハードルは高そうです。


篠原 七海は東戸塚にある「県立こども医療センター」に移っていたのですが、主治医に相談したところ、「倫理委員会に申請して、何とか使いましょう」というお言葉をいただき、人道的投薬という扱いで投与ができました。

ただもちろん、副作用も含めて、その薬が効果があるという保証はどこにもありませんでした。


――― 勇気あるご決断ですね。


篠原 その時にはもう七海は集中治療室にいて、手足がピクリとも動かせない状況でしたから、このままだとどうなるかは誰の目にも明らかでした。

幸い勇気ある主治医と、その薬のおかげで病気を抑えることができ、七海はこの4月に小学校に行けるまでに成長したのです。



――― 1歳までもたないと言われていたのに、小学生になった。


篠原 ただこの薬はリー脳症が脳細胞を壊すのを限りなく抑えてくれるのですが、すでに失われた機能を治すまでの力はないんですね。

やはり根本原因であるミトコンドリア病を何とかしなければいけません。


――― なるほど。


篠原 ミトコンドリア病は5,000人に1人発生すると言われていて、日本には約2万人の患者がいると言われています。

何もしなければ助からなかった娘の命を、様々な方の力で助けていただいたので、私たちの残りの人生を懸けてこの病気を完治できるようにしたい。

アメリカの薬を日本で使えるようにする手助けをしてくれた「こいのぼり」という組織の代表である菅沼さんにそんな話をしたところ、「一緒にやろう」と言ってもらいました。


(次回につづく→娘の夢を叶えたい。治療法のない「ミトコンドリア病」の患者家族として、治療法を創る活動を先導。


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▼7 SEAS PROJECT

事業主体:一般社団法人こいのぼり/オフィス:神奈川県茅ヶ崎市東海岸北2−1−9/公式サイトFacebook寄付はこちらから(ふるさと納税と同様に、税控除の対象となります)





▼インタビュー・編集 小野寺将人(Facebook / Twitter

2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。

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